
白い花の中に赤紫のドットが広がるクリスマスローズ。
優しい表情のそれは実は花弁状になった5枚の萼片。
多数の雄蘂を取り巻くようにある小さく黄色い筒状のが実際の花片。
咲き進み蕊が落ちると、花の中央にカラーの花を極小にしたような花片の姿が見えてくる。
根生の掌状複葉は深裂し、縁辺は鋸歯となって結構な固さを保つ。
黒い根は古代ギリシア時代において、頭を良くする薬として当時の劇作家や哲学者が服用したとある。(荒俣 宏)
「to be,or not to be…」ではないが、「花の美しさを愛でるか、自分の頭を良くするために根を取るか、それが問題だ」
この花には「追憶」の花言葉もあるという。
ぎらぎら輝く太陽、青い空と水平線、白い砂浜…、私も最近故郷を思い出すことが多くなった。
冬の天海の上にて真蒼(まさを)なり (大谷碧雲居)