
蜜柑を幾つかに切って、木に刺しておいた。
鳥を誘うためである。
早速メジロがやってきた。
二羽で一緒に行動しているので、つがいのように思える。
縦になった枝をしっかり掴み、うまく体のバランスを取って蜜柑に嘴を入れる。
爪先といい、脚の折れ具合といい、留まる姿といい、まるでバードカービングのお手本のようである。
留まる木は蝋梅、その蕾はまだ小さく固い。
突如ヒヨドリが大きな声を立ててやってくる。メジロはさっと退散する。
十分に腹ごしらえしたヒヨドリが立ち去ると、また二羽でやってきて蜜柑をつっつき味わう。
ところで今年はまだツグミの姿がない。
毎年、小正月前後にはやってきていたので、彼もそろそろだとは思う。
こうして、ひだまりの庭のバードウオッチングを楽しむ冬の休日のひととき。
蝋梅に目白つれ渡る冬日和 (文)