
川沿いの西の土手には春や夏を思わせるような橙色がたくさん目に付く。
暮れ頃から咲き出したこの花、我が家ではすっかり野生化して毎年真冬に顔を見せてくれる。
名をフユシラズ、この花の姿そのままを表している。
花は1㎝~2㎝ほどと小さく、葉も青々として、寒々としたこの時期にあって私の心を和ませてくれる。
こぼれ種からよく繁殖し、我が家では毎年増えて、その面積を広げているように見える。
その横ではオオイヌノフグリも顔を出しはじめた。
冬のひととき、土手の小さな花たちが私に笑みを運んでくれる。
年とつて冷たき土堤に遊びけり (水田耕衣)