
たんぽゝと小声で言ひてみて一人 (星野立子)
タンポポを見つけた。
そういえば年明けてから、このところ日中は日射したっぷりのぽかぽかの日が続いていた。
そんな陽気に誘われて、草布団を除けて出てきた今年の新顔さんだ。
しかし、朝の冷え込みはまだ厳しい分、花茎は伸びず葉の上にすぐの花である。
こうして野に黄色い花があると、なぜだか春を見つけたような気分になる。
晴れの日に比例して少しずつ、野の花たちも膨らんでくるに違いない。
ああ……、そういえば天気予報では今日は「雪」だという。
せっかく顔を出したタンポポもどうやら今日は雪の下だろう。
「やけに真っ白な雪がふわふわ あったかいだね ぐっすり眠る…」
そんな歌なども思い出す。
草々に蒲公英の黄の自己主張 (福島恭子)