
誰がための深き瑠璃いろ竜の玉 (鈴木二郎)
「竜の髭」の実、いや、正しくは種子であるという。
英名でもsnake’s beard(蛇のひげ)とそのままである。
またlily‐turf(芝百合)とあるようにユリ科の植物だというのもちょっとおどろきだ。
浴びる日射しを艶々と照り返すその名も竜の玉。
もし真珠に瑠璃色があるとしたら、こんな感じなのかと思う。
寒々とした季節に実を結ぶというのもえも言われぬゆかしさを感じる。
かぐや姫が求婚者に探し求めさせたものは果たしてこんなものだったのではないかと思ったりする。
辺りが枯れ草色に染まる中、このリュウノヒゲは細葉を青々として叢生する。
昨日は冬至だった。習わしに従いカボチャを食べた。
木に残っていた柚子を採って湯船に入れた。
いい香りがした。揺れて広がるのをそばに寄せては手に取り何度も香りをかいだ。
年の暮れを恙なく過ごせるいい伝えに、ゆったりと風呂につかった。
温まった。
風雲の少しく遊ぶ冬至かな (石田波郷)