
山茶花と李の下でドクダミが咲いている。
辺りを灯すかのような純白のかわいい花だ。
正しくいえば白いのは苞。
花はその上に立つたくさんの小さな黄色い部分で花びらはない。
漢字では十薬と充てられ、薬効が多く有ることからの名づけらしい。
葉も花も匂いが強い。
それを嫌いという人が多いようだが、私はそうは思わない。
繁殖力が強く地下茎を伸ばして広がり、知らないうちにほかの花の中に顔を出したりする。
見つけたらすぐ抜くようにして、そのエリアに留めている。
抜いた手にもその匂いが付く。
昨日採ったのは大実の茱萸。
木には固く鋭い棘があって、左の掌に深く刺さり、けっこう血が出た。
絆創膏を貼ってから食べた。
寄り添うような深い匂いどくだみは一輪挿した指を離れず (郷羽三夜子)





