
イチイ(たぶん)の木を登るようにして赤い蔓薔薇がある。
枝は上で大きく広がり撓む。
これは四季咲きで、この先初冬まで花を咲かせる。
高すぎて手に取ることはできないので、剪って部屋に飾ったことがない。
花を嗅ぐこともできないので香りがあるかどうかもよく分からない。
そこでもう30年以上になるのではないかと思う。
品種としての名前を覚えていないのでただツルバラといっては眺めている。
「カツをあげるので手伝って」という。
この頃は衣を付けるのもだいぶ慣れ、うまく手早く出来るようになってきた。
蔓薔薇を見て過ぎ去りし時のさまざまをくっきりとあるいはぼんやりと (居山聞涛)




