2019年2月10日 立春の昨夕、レオパが天命を全うした。
約十七歳。
人の年齢にすればおよそ卒寿頃だろうか。
2年ほど東京で過ごして、信州に来たのは2008年。
それから生活を共に15年の歳月。
今年に入ってからなかなか食事を摂ろうとしなかった。
だんだんに瘦せ細っていった。
いよいよお迎えの時だと覚悟してその準備をしてはいた。
朝、動きがゆっくりとなった。
そして家族に見守られて静かに息を引き取った。
一人じゃ淋しいだろうと7年前にはレオコを同居させた。
二人は睦まじく過ごした。
動かなくなった冷たいレオパのそばに居る彼女の表情はいつもと変わらない。
何が起きているのかきっと分かっていない。
新しい白いハンカチを出してくるんだ。
「埋葬はどこにする?」
「柘榴の木の下がいい」
「そうだね、場所がはっきりわかったほうがいいね」
「実が生るたびに思い出せるし」
私達はレオパロスでしばらくは淋しくなるだろう。
一番密着度の深かった家人はひとしおに。
なにせエプロンのポケットに入れて料理などしていたのだから。
朝の挨拶に手に持って「おはよう」のチューをしていたのだから。
赤い舌を出してペロペロ水を嘗める愛らしい姿。
一生懸命に脱皮する様はなんともユーモラスで。
時には彫刻のモデルにもなった。
なつっこい穏やかな性格だった。
喋らないけど通じ合っていた。
みんなのアイドルだった。
家中が癒やされた。
君のつぶらな瞳は忘れない。
レオパ、ありがとう。
掌に乗る小さな命は逝った大きな微笑みとやさしい灯だったレオパと15年 (上武旋転子)
2008年8月16日

2014年12月15日

2017年12月17日

2019年12月4日

2020年1月3日

2020年3月29日

2020年12月28日

2023年2月4日