
『山茶花はなぜサザンカか』(外山滋比古著)という随筆集がある。
一つの文章はどれも2頁で完結し、それが78篇収められている。
発行年からしておよそ30年ほど前に購入したと思われる。
本のタイトルにもなっている『山茶花はなぜサザンカか』については次のように解説する。
山茶花という名自体が誤り。
「山茶花は実はつばきの花なれども、古来、誤用し来れり」(『言泉』)
「本来は茶梅と書くのが正しい」(平凡社『俳句歳時記』)
古くはサンサカ、あるいはサンザカであった。
それが「変化」し「転じて」サザンカになった。
これは「音位転倒(メタセシス)」の例だと考えられる。
さて生垣の赤い山茶花はまだ咲いている。
ところどころには茶色くなったまま残った花や蕾も。
チューリップ咲いたと一月の花便り目に見えて日脚は伸び (居山聞涛)





