
クレマチスは地植えと鉢植えの二つある。
玄関横に置いてあるその鉢にも少し前から咲き出した。
色はさわやか淡紫。
でもそれらは私が植えたものではない。
以前ある作家の名を冠した彫刻美術館を訪ねたことがあった。
そこに併設してさまざまな色の花が咲く“クレマチスの丘”があった。
その緩やかな丘陵を歩きながら家にもほしいと思った。
それからしばらくして庭の“ポンポン咲きの金糸梅”の中にクレマチスが出て咲いた。
鳥が種を落としプレゼントしてくれたらしい。
そして二年前に今度は義姉が鉢植えをくださった。
だからこれらのクレマチスの名前は分からない。
鳥のクレマチスと義姉のクレマチスと呼んでいる。
「ご飯がおかゆみたいだったけど」とぼそり、私がメニューボタンを間違えたらしい笑って朝食 (上武旋転子)


