
昨日、近隣の市に住む版画家の友人から電話があった。
国際的に活躍する彼は別途県境の山村にアトリエを構えている。
電話はそこからだった。
「遊びに来ないか。お茶でも飲んでゆっくり話をしよう」
「今はエッチングの小品を作っていて、1月の内には終わりそうだから2月か3月頃にどうだ」と。
若い頃からの長い付き合いだが、実は彼のアトリエを訪ねたことはない。
「ありがとう。Kの都合のいいときに声をかけてくれれば1日予定を空けて飛んで行くよ」と答えた。
「わかった。今度の仕事が一段落したら連絡する。その時はぜひ奥さんも一緒にな」
その村は我が家から車で一時間半程はかかる。
同じ県内だが、ほとんど行く用のないところで、前回そこを通ったのは25年近く前の事だった気がする。
会うとなれば、昨年11月に共通の友人の個展にあわせての「三人昼食会」以来ということになる。
その時は20代の頃の思い出話などで盛り上がった。
今度は彼の作品の鑑賞と、芸術観を聞くのが楽しみだ。
時を経てもこうして変わらず声をかけてくれる友人がいることはありがたいことである。
枇杷の木の下に斑入りのアオキがある
一年中、葉と枝が青々としている。
画家達はそれに「青春や生命力」を暗示し描くのだと聞いたことがある。
大寒に四つ一つと青木の実 (奈美あや)


