
天竜川を挟んで、西に中央アルプス南部の山々、東には南アルプスの北部の山々が見える。
陽が昇った後の朝は中央アルプスを、陽が回った午後からは南アルプスを眺めるのがいい。
それぞれにコントラストのある陰影が雪の稜線や山容をくっきりと浮かび上がらせる。
道に立ち、中央アルプス南部の雪嶺を望む。
正面に摺鉢窪カール。
それを挟む形で左手(南)に南駒ヶ岳と右手(北)に赤椰岳。
さらに南側には仙涯嶺、北側には丸い頂の田切岳となだらかな空木岳が延びる。
いずれも2,800前後の嶺々。
太古の昔からそこに悠然と聳え立ち。
厳しさと優しさを備えて。
昨日の朝、晴天に誘われて。
冬山を眺む我が生をすべて見られている気がして (居山聞涛)




