
元朝、6:45。
初日を見るために高台にあるいつもの広場に向かう。
すでに5台の車が駐まっていた。
外に出る。
かなり冷えている。
-8℃くらいにはなっているか。
少し山の端が赤い色に染まる。
その上を覆うように厚い雲が横たわる。
車が増える。
さらに明るさが増す。
待つ。
手がかじかむ。
黙って待つ。
見つめるその箇所が一気にぱっと明るくなる。
まばゆい。
上ったようだ。
だがその形は雲の向こうにあって見えない。
もう少し……。
「帰ろう」「ねえ、帰ろうよ」「もう帰ろう」と何度も促される。
車が1台、2台と出て行く。
雲が動く気配はない。
私達も帰る。
初日はたしかにそこにあると明るき雲の一点にかじかむ手を合わせる (上武旋転子)




