
蝉の声を聞くと時を同じくして咲き出したのがこの白いグラジオラス、例年より2、3週間ほども早い気がする。
いくつもあるグラジオラスの中でもこれは一番背が高く、花も大きく豪華である。
なによりその真っ白さが際だつ。
本来なら咲き終わった後、堀り上げて春に植えるのがよいと聞くが、これはもう何年も植えっぱなしだ。
穂状に付いたすべての花が、一斉に顔をこちらに向けて「私を見て」と声を掛ける。
英名でsword lily(剣百合)、アヤメ科特有の剣状になった葉からのイメージだろう。
私にはオレンジ色したグラジオラスが野原いっぱいに咲いていた記憶がある。
白いテッポウユリと朱色のグラジオラスが同居して広がる風景。
遠い幼い日の夏の思い出である。
グラジオラス一方咲きの哀れさよ ( 村山古郷 )