
どんなに過去がよくても、今が駄目なら駄目なんですね。
反対にどんなに過去が駄目でも、今がよければよいのです。
つまらない過去をますますつまらなくするのも今の生き方にかかっているのですし、
つまらない過去を肥料として転じて、みごとな花を咲かせるのも、今の生き方にかかっているのです。
さらには、とても開きそうもない未来という固い扉を開くのも、今の生き方にかかっているし、
逆に開かれた扉もしまり、敷かれたレールを消してしまうのも、今の生き方にかかっているのですね。
古人は「一大事とは今日只今のことなり」とおっしゃいましたが、今という一点の連続が生涯となり、
また永遠ともなるものであり、
勝負は、見据えるべきは、どこまでも今の一点なんですね。
( 青山俊董著 『花有情』冬の章より)
十二月とは思えないような、真冬並みの厳しい寒さが続いています。
庭の甕にも厚い氷が張ります。
でも心だけは氷らさないようにしなくては。
朝寒(あさざむ)や生きたる骨を動かさず (夏目漱石)

