
しとしとと、きのうは冷たい雨の日だった。
そんな中に宅配便が小さな箱を届けてくれた。
いつも明るく挨拶してくれる顔なじみのKさんだ。
送り主は小諸の友人。
箱を開けるとチーズの詰め合わせセットが入っていた。
同梱の案内を見ると、東御市の工房で作られた手づくりチーズだった。
さっそくお礼の電話をする。
「さっき荷物が届いた。ありがとう。すごい高級なチーズじゃん」
「店の創業者がさ、知り合いなんだよ。今は一線を退いているけどね」
「どうだい変わりないかい」
「元気元気。オレは体力勝負だから」
「それはそうだな」
「それじゃあ、また来年の秋に」
「ほんとうにありがとう」
大学時代からだから、その付き合いは長い。
そして今は毎年1度は、六本木で会う。
バイタリティーに富み、そしてそのエネルギッシュの姿に学ぶことの多い良き友である。
どんな味わいなんだろう、楽しみ…。
「ん?」
夕食に出してくれるかと思ったが、お預けだった。
冬の雨コーヒーの香と人のこゑ (加藤みき)


