
タイヤを交換した。
作業するにはもってこいのいい天気だった。
SUVから始め、普通車、軽の3台すべてをスタッドレスに履き替える。
これでいつ雪が来ても安心と、ほっとする。
道具を片付け、部屋に入ってお茶にした。
と、チャイムが鳴り、玄関を開けると穂波さんが箱を抱えて立っていた。
「林檎の手伝いに行って来たの。これキズリンゴだけど」と。
「出荷できないのがたくさんあって棄てるというので、もったいないから頂いてきたのよ」
「シナノゴールドと、ぐんま名月と、シナノスイートと、もう一つの赤いのは…忘れちゃった」
「こんなにたくさん!うれしい。あがってよ」
「今日は疲れたのでこれで帰る。インドネシア行く前にもう一度寄るわ」
そういえば前に来たときに、下旬から1月半ばまでご夫婦で行ってくるという話をしていた。
そのキズというのは、多くは素人目にはほとんどわからないほどの微細なものばかり。
ともあれ、ありがたい。
さっそくシナノスイートを一ついただく。
そのあと、近くの温泉に行った。
気持ちよかった。
ハンドルを握る黄昏の東の空に白い月があった。
「ねえ、今日は鍋にするから、白菜を切って~」
りんご紅し机上に愛をころがして (飯村寿美子)
