
立鎌を使って隅々まで根をこそぐ。
結局、残りの草取りは4時間半かかった。
5時半から始め、途中朝食に戻り、再開して終わったのが10時半。
きょうはすべてを終えるまではやめないとの縛りをかけた。
自分でも褒めてやっていいほど、草が取り除かれた畑はきれいな土の顔に変わった。
ちょっとの消耗感はあるが、熱中症は大丈夫だ。
「よかった…」
湯船に長く浸かる。
出ると、昼食の用意を始めていた家人が「大根を2本とってきて」という。
「ちょっと寛がせてくれればいいのに…」との言葉を飲み込む。
冷蔵庫から冷えた爽健美茶を出し、喉に通してから畑で大根を抜き、外水栓で土を落としてから渡す。
6月には真っ白だった柏葉紫陽花が今は赤茶色へのグラデーションを呈している。
それはそれで味のあるいい姿だ。
長柄大鎌夏草を薙ぐ悪を刈る (西東三鬼)




