
学生の頃購入した本で、未だに書架に並ぶのがいくつかある。
先日、あるきっかけから思い出して取り出したのは『二十歳のエチュード』。
著者は19歳で自死した原口統三。
だいぶ色褪せ、破れもあるその文庫本を少し捲ってみた。
何ヶ所かに鉛筆で線が引かれているのは、そこにある文言に惹かれるものを感じ、何かを考えていたのだろう
松本城近くの学生宿で、横たわりながら読み耽る青い自分の姿が甦る。
捨てる物と捨てられないもの。
この頃、なぜか若かりし日々を追想することが多くなった。
沖縄は早くも梅雨入りだとか。
初夏の山立ちめぐり四方に風 (水原秋櫻子)


