
雨はきらいではない。
いや、どちらかというと雨の情景は好きである。
しかしこれだけ続くと、そろそろすかっとした気持ちのいい青空が欲しくなる。
曇りガラスを通して見るみるように、花たちもその彩りのトーンを抑えれる。
コントラストも狭まれて輪郭が弱くなる。
これはこれで一つの味わいなのだが。
杜鵑草が咲く。
花びらは不思議模様を纏う。
妖しげな美しさとでも言おうか。
蕊にはいくつもの透明の小さな玉。
女性の飾りを思わせる。
花言葉は「秘めた思い」「永遠にあなたのもの」。
台風も接近している。
まだ、澄んだ秋日和は先になりそうだ。
ほととぎす咲かせかたぶく齢(よわひ)かな (岩城のり子)



