
隣村に住んでいる女性から便りが届いた。
その結婚式にも出席した20数年前の職場の同僚である。
以来、年賀の交換を続けてきた。
管理栄養士を目指して学生生活を送る娘さんのこと。
高校野球に打ち込む息子さんのこと。
この時期、果樹農家として多忙なご主人のこと。
自身の現在の勤めのことなどの近況に加え、一緒の頃の思い出など。
手書きの流れるような美しい文字は、昔折に触れて目にしたのと変わらずだった。
秋は人にペンを持たせる。
私も早速に万年筆で返事を書いた。
山茱萸の下では薄紅の菊が咲いている。
今日はまた今日のこゝろに菊暮るゝ (松尾いはほ)

