
話す人の、その内容がどれだけの真実味や信頼がおけるかはその表情や態度から案外分かるものである。
見ている人や聞く人は、言葉の多さや速さから瞬時にその真偽を見極めたりもできる。
一方少ない言葉の中に、ものことの本質を感じたりもする。
思い出したのが良寛さんが語る『良寛戒語』。
人の話をする姿、その様子について戒める。
90箇条になるその中から幾つか。
一 ことばの多き
一 口のはやき
一 人の言いきらぬ中に物言う
一 話の長き
一 たやすく約束する
一 ことごとしく物言う
一 人のことわりを聞き取らずしておのがことを言いとおす
一 あう致しました、こう致しました、ましたましたのあまり重なる
一 はなであしらう
その言葉の何が本当で何が嘘か。
その心は何処を向いているのか、誰に向けているのか。
その饒舌な語りの中から、惑わされず確かなものを判別する。
耳に順がう言葉より、耳に逆らう言葉を受け止めることの大切さを思うこの頃。
庭の周りのところどころに藪萱草が咲く。
萱草が咲いてきれいな風が吹く (大峯あきら)


