ミツバツツジ(三葉躑躅) ~「五月礼賛」~
- 2017/05/09(Tue) -
ミツバツツジ608

与謝野晶子が五月の森羅万象ありとあらゆるものを讃える。
42行もある長い詩だが、声に出すとリズミカルで歯切れが良く、爽快な気分になる。

     与謝野晶子 「五月礼賛」      (※13行にまとめて記す)

 五月は好い月、花の月、 芽の月、香の月、色の月、
 ポプラ、マロニエ、プラタアヌ、つつじ、芍薬、藤、蘇枋、リラ、チユウリツプ、罌粟の月、
 女の服のかろがろと薄くなる月、恋の月、
 巻冠(まきかんむり)に矢を背負ひ、葵(あふひ)をかざす京人が馬競(うまくら)べする祭月、
 巴里の街の少女等(をとめら)が花の祭に美くしい貴(あて)な女王を選ぶ月、
 わたしのことを云ふならば シベリアを行き、独逸行き、 君を慕うてはるばるとその巴里まで著(つ)いた月、
 菖蒲(あやめ)の太刀と幟とで去年うまれた四男目のアウギユストをば祝ふ月、
 狭い書斎の窓ごしに明るい空と棕櫚の木が馬来(マレエ)の島を想はせる微風(そよかぜ)の月、
 青い月、プラチナ色の雲の月、 蜜蜂の月、蝶の月、 蟻も蛾となり、金糸雀(かなりや)も卵を抱く生の月、
 何やら物に誘られる官能の月、肉の月、ヴウヴレエ酒の、香料の、 踊の、楽の、歌の月、
 わたしを中に万物が堅く抱きしめ、縺れ合ひ、 呻(うめ)き、くちづけ、汗をかく太陽の月、
 青海(あをうみ)の、 森の、公園の、噴水の、 庭の、屋前(テラス)の、離亭(ちん)の月、
 やれ来た、五月、麦藁で細い薄手の硝杯(こつぷ)から レモン水をば吸ふやうなあまい眩暈(めまひ)を投げに来た。

私も思う。
五月は嬉し楽し妖し蠢き湧き起こる月。
そして私のうまれ月。

鮮やかな三つ葉躑躅も咲いた。

   躑躅赫し愛より強き言葉欲し   (清水芳堂)

ミツバツツジ603
この記事のURL | 草と花と鳥と | CM(1) | ▲ top
<<ミヤマカイドウ(深山海棠) ~お礼も言えず~ | メイン | 三渓園 ~たまには田舎から出て~ >>
コメント
君も雛罌粟われも雛罌粟

ああ皐月佛蘭西の野は火の色す君も雛罌粟われも雛罌粟

大正10年5月10日に出された「歌の旅」をそっと開く
石井柏亭の画が入った一冊の本

与謝野晶子にとっては
君想う月 5月

五月礼賛 初めて知りました。
全文読んでみます。

2017/05/10 22:59  | URL | ミルクティー #-[ 編集] |  ▲ top

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する


▲ top
| メイン |