サクラ(木彫の桜落葉) ~大事に取ってあったもの~
- 2016/12/08(Thu) -
桜落葉1

拾われた桜の落葉が一枚ある。
部屋に入れたのは10月21日。
時のオブジェのように置かれ、今に至る。
その間、時々手にとっては眺めた。

よく見ると、それはなぜか落葉であって落葉以上のものを感じさせたりも。
たとえば生きているような、話しかけられているような感覚とでもいおうか。
そんな不思議さの大事に取っておいた桜落葉。

「彫る?」
「彫る!」

材は厚さ4㎝の朴の板。
形を描き入れ、鋸で輪郭を大まかにカットする。
久しぶりに彫刻刀を手にする。
滑り止めにゴム手袋をはめる。
葉の起伏に合わせて板を薄く薄く彫っていく。
葉先と葉柄を折らないように気をつけながら。
ゴム天袋を取りはずし、細部に入る。
人差し指と親指で挟んで厚さを確かめつつ削る。
慎重にしたつもりだが、2箇所ほどに穴を開ける。
わずかに浮かぶ葉脈や縁取る鋸歯も。
ポスターカラーで着色。
ところどころにある染みも表す。
彫り始めてから3日。
思いの外短時間で完成。

心に温かいものが満ちる一人過ごした冬のいい時間。

   削るほど紅さす板や十二月  (能村登四郎)

桜落葉2

桜落葉3

桜落葉4

桜落葉5

桜落葉6

桜落葉7

桜落葉8
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コメント

すごいです。どっちが本物かわかりません。
ポスターカラーでも結構渋い色合いになるんですね。
彫っている間、楽しいひと時だったことでしょう。
2016/12/08 08:26  | URL | miya #QgzHyuJk[ 編集] |  ▲ top


落ち葉が何処からともなく舞い降りて
其処だけが秋色に輝いて見えます。

繊細で儚げで優しい落ち葉ですね。

朽ちる事なくずっと在るが儘に…。
2016/12/08 16:08  | URL | 優 #-[ 編集] |  ▲ top

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2016/12/09 22:05  | | #[ 編集] |  ▲ top

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