
多くの木々は葉を落とした。
そこに鳥たちが来て、その姿がよく見える。
李の木には雄のジョウビタキ。
このところ毎日のように顔を見せてくれる。
白銀色の頭、黒い羽に白い三角紋、朱の胸。
くりっとした丸い眼、小枝よりもなお細い脚。
そして体を上下させながら、ツッ、ツッ、ツッの愛らしい声。
この鳥との付き合いも長い。
庭に初めてやって来たのはおよそ20数年ほど前の11月。
以来、同じように時期にはやって来て時期には帰っていく。
今では古くからの親しい友のように思え、その訪問が毎年楽しみである。
そのうちに雌も来てくれるのではないかと胸が弾む。
鶲来て色つくりたる枯木かな (原石鼎)


