枇杷(Japanese medlar) ~蜂が蜜を求めて~
- 2007/11/11(Sun) -
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1㌢ほどの小さな花が密集する白い枇杷の花が咲き出した。芳香を持つその花の中へ蜂が体を突っ込んで蜜を吸う。次々にやってきては吸い、吸っては別の花へとはしごする。彼らにとってはこの花はどうやらいい味をしているらしい。これから年を越え2月頃まで咲き続ける。そして、夏になると橙黄色に熟した甘い果実をつけて、私の口へと運ばれる結果となる。今年はあまり多くは穫れなかったが、来年を期待しよう。

このビワは田中、茂木と並び称される2大品種の一つだ。明治の初期に田中芳男が長崎から種子を東京の本郷の自宅にもち帰って播種、それを育成栽培し普及させたものである。芳男はこの南信州飯田市出身で「日本博物館の父」と呼ばれる。上野動物園の開設や東京国立博物館の開設などは彼の手によるものだが、あまり知られていない。今我々が食べている西洋りんごも彼が接木したものがもとになり、その栽培がはじまっている。彼は果実としての我が国の「りんご」の生みの親でもあるのだ。市の中心にある「りんご並木」の先に彼の顕彰碑があるが、地元の人でもその存在と田中の業績を知る人は少ない。


  忘れゐし花よ真白き枇杷五弁 (橋本多佳子)
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