薔薇 (ファンタジー)
- 2007/11/09(Fri) -
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薔薇を漢字ですらすらと書ける人はそう多くはない。何度見ても覚えにくい難しい字の構成である。芳香を放ち姿の美しいこの花が我が国に渡来した時、それを初めて見た人々はなぜ「薔」「薇」という文字をあてたのだろうとふと考えたりする。

薔は水辺に生えるたでの一種の「みずたで」、薇は山野に自生する「ぜんまい」、その二つから薔薇を連想するには無理がある。それがどうしてこの花と結び付くのだろうと不思議に思う。薔には「バ」の音はなく、薇にも「ラ」の音もない。名付けた人にはきっとそうすべき必然的な深い思いがあったのだろうが、それで「ばら」と読ませることは簡単には理解しにくい。

この薔薇はファンタジーという名が付く。なるほど、表が赤く裏が白い特殊な花びらのこの花、たしかに幻想的でありえない「白日夢」のような物語を発想させたとしても肯うこともできる。他の花にはない独特な趣があって私の好きな薔薇の一つである。


薔薇の香か今行きし人の香か   (星野立子)    針ありて蝶に知らせん花薔薇 (乙 由)


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コメント
かわいい色合い...
『薔薇』と『バラ』では受ける印象も違いますよね。
漢字を分解するとそんな意味だとは今まで知りませんでした。さすがhiougiさんです。
薔薇作りは大変で綺麗に咲かせるのも難しいと聞いているけれど、素晴らしく綺麗に育てられていて拝見していて気持ちがいいですv^^。
メルヘンチックになりました。
2007/11/09 09:07  | URL | tora #QjtTlS4.[ 編集] |  ▲ top

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