『春』(竹下夢二) ~“幸福(しあわせ)をさがしに”~
- 2016/03/09(Wed) -
竹下夢二「春」1

竹下夢二に『春』という童話集がある。
そのはしがきで彼はこう書いている。
「春」といふ字は音(おん)が朗らかで字畫が好もしいため、本の名にしたのです。(千九百二十六年十月)

たしかに「春」という字音には人を明るくさせる言葉薬のようなものがある。

扉はカラーで“幸福(しあわせ)をさがしに”。

この童話集の最後にあるのがタイトルにもなった「春」という戯曲。
兄と妹が主人公の短い話。

山に向かって歌う少年。
山彦が歌を返す。
「誰だ」『誰だ』
「人の真似をするのは失敬だぞ!」『人の真似をするのは失敬だぞ!』
「馬鹿野郎」『馬鹿野郎』

先生が登場し、それは山彦である事を教える。
「こちらで何かやさしい事を言ってやれば向ふでもやさしい事を返してくるのじゃ」

「こんにちは、ごきげんいかかですか」『こんにちは、ごきげんいかかですか』
「あなたは好い方ですね」『あなたは好い方ですね』

先生「どうだね,山彦は正直だらう」

いい言葉はいい言葉を返してくれる。
温かい言葉は温かい言葉を。
美しい言葉は美しい言葉を。
その逆も然り。
行為も同じだろう。

周りに居る多くの山彦から返ってくる声や姿は即ち自分の発した声や行いそのものなのではないかと…。

   窓開けて春春春とクレッシェンド   (あや)

竹下夢二「春」2

竹下夢二『春』4

竹下夢二「春」3
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コメント

周りに居る多くの山彦から返ってくる声や姿は即ち自分の発した声や行いそのものなのではないかと…。  

売り言葉に買い言葉と聞いてもそう心には響きませんが。
hiougiさんの文や言葉は何故か心に響きます。
2016/03/10 16:50  | URL | しーちゃん #-[ 編集] |  ▲ top

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