
川を隔てて見える果樹園の樹がすべて伐採された。
何が出来るのだろうと気になっていた。
そして工事が始まった。
測量の杭が整然と打たれていく。
穴が等間隔に掘られていく。
太陽光発電の設置であった。
この2年ばかりで畑がパネルに変わった所が近くで数カ所見られるようになった。
時代の流れなのだろう。
とはいえ、目の前から見慣れた四季折々の風情が消えていくのは少し淋しい。
寒の戻った曇りの日、雌の百舌が桜の梢に止まった。
工事が進められているのはその後方である。
倒されたのは彼女らの憩いの樹々でもあったかもしれない。
あるいは早贄の場所だったり。
われありと思ふ鵙啼き過ぐるたび (山口誓子)