ハス(蓮) ~絵と冬枯れの蓮池と果托~
- 2016/02/13(Sat) -
蓮田1

知人から作品展の案内を頂き、初日に出掛けた。
彼は有島生馬、小山敬三、安井曾太郎らによって創立された伝統ある一水会に所属する。

描くのは布や果物、器、瓶、機械、登山靴、ピッケルなどの静物画。
対象をどのように配置するか、構図の決定に腐心するという。
そしてモチーフの形態と質感を徹底的に追求し、緻密に描写する。
たとえば、掛けられた布の微細な柄まで丁寧に表す。
一枚に長い時間を費やし、キャンバスの隅々まで写実表現に徹する。
その制作態度には学ぶことが多い。

作品を前にしばし絵画談義に弾む。
制作活動を通して長年になる付き合いだが、いまだ互いに敬語で会話する。
どうやらそれぞれが携わっていた職業がしみついて離れないのだ。
参観者が増えてきたので、挨拶をしてお暇する。

家までは交通量も少ない県道で一時間弱。
のんびり景色に目をやりつつハンドルを握る。
途中、蓮池が目に留まる。
冬枯れの蓮が広がる風情もなかなかいい。

そういえば、家に蓮の果托を取っておいたはず…と。
いつか彫刻にしようと思っていたのだ。
箱の中から取りだし手にする。
いい形をしている。

もしかすると、彼の絵のモチーフにもなるのではないか。
今回の出品作の中にも枯れた黄色いカラスウリの実が描かれていたのだから。
今度会ったら話題にしてみよう。
その前に自分でも彫って作品に仕上げなくてはだ。

  蓮の実のこぼれ尽くして何もなし (正岡子規)

蓮田2

蓮の実
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