
モンシロチョウは死んだ。
翅をたたみ固くなって落ちていた。
部屋の中で羽化してから1週間程経つ。
その間、厳しい寒さもあった。
昆虫の死骸を時々取っておいたりする。
子どものようだとか、変だとか思われるかも知れない。
標本にするというのではない。
その造型の妙趣に惹かれるからだ。
そしてその色や形を単純に美しいと思う。
真夏の庭に落ちていた蝉がある。
今にも動き出しそう。
真夏の庭で遊んでいた玉虫がある。
金属質の光沢はそのままに。
このモンシロチョウもしばらく取っておこう。
或日あり或日ありつつ春を待つ (後藤夜半)

