
今年のモミジの紅葉にはいつもの鮮やかさが見えないとテレビは伝えていた。
一般公開されていた皇居の「乾通り」の並木も同様らしい。
全国的に暖かだった秋が通常の木々の紅葉のメカニズムに影響を与えている。
家のイロハカエデもそれぞれに違う様相となっている。
綺麗な紅葉を見せていた一番大きな木は、すでにすべての葉を落とし裸木だ。
アトリエの横のにはまだかなりの緑の葉が見える。
他の木を見てもその主調色は黄色で、オレンジや赤は乏しい。
私が寛ぐ部屋のすぐそばにもある。
それは頭頂部を抑え、全体を山のように丸く切り揃えてある。
唯一毎年剪定を施す木である。
高くならないようしてあるのは部屋から見える視線を遮らないため。
これにも黄色が目立つ。
赤味を帯びたものも散見できるが、その色もくすんだ感じがする。
カエデらしい趣ある紅葉を纏わずにこのまま散るのかもしれない。
思えば12月のこの時期までこうして葉が残っていること自体が珍しい。
木々の肌は気象の変化にきわめて敏感である。
障子しめて四方の紅葉を感じをり (星野立子)

