
秋は花の後の実りも楽しみだ。我が家の富有柿も今たわわである。今度の休日には収穫し、母の元へ送ろう。
庭へ出て自然の息づかいに耳を傾け、目をこらしながらそぞろに歩を進めると、それまで気づかなかったいろいろなものに出会うことがある。この白木蓮の実もそうだ。両手の手のひらを開いたようにして外皮を裂き、その真ん中に鮮やかなオレンジ色した実がその木に一つだけついている。春を謳うあの白い大きな花にこのような小さな実がなることを初めて知った。身近な草木の中にもいろいろな発見がある。
昨日の朝のラジオで「今年は動物たちはきっと喜んでいると思いますよ。とにかく木の実が今年は豊作なんです」と、白神山地からの便りが届いていた。昨年は全国的に木の実のなりが少なかったため、熊などが里に下りてきては民家を荒らし、人に危害を与えたというニュースが映像で流れたのは記憶に新しい。そのレポートによると、今年はブナをはじめ、どの種類の木々も実をたくさん付け、山に棲む動物たちにとっては有り難い秋になりそうだとのことだ。熊たちも今年は安心して冬を迎えることだろう。
ハクモクレンのつぼみは,頭痛,鼻炎等の漢方薬として利用されるという。はたしてこの実は食することができるのだろうか。鳥や小動物が食べてくれるのなら嬉しい。
秋風に木蓮の朱一つ葉隠れて