
テーブルの上にカランコエがある。
ピンクとオレンジの八重が二鉢。
少し前のこと、親子の訪問者があった。
その時それぞれが抱えて持ってきてくれたものだ。
ラッピングに施されたブルーのかわいいリボンは妹さんの手によると。
「花が好きだから、お部屋に飾って頂こうと」
娘は願い描いた夢に向かって、重い扉を自らの手で開き、これから遠く離れた土地で新しい大学生活を始める。
母は娘の選んだ道を温かく見守り、グローバルな生き方をして欲しいとその将来を楽しみにする。
仲の良い素敵な親子だ。
それぞれの今を持つ3月。
それぞれが思い、感じ、考える3月。
一歩ずつ。
一つずつ。
カランコエに希望を包む春の日かな (あや)

