ヤツデ(八つ手) ~刀を手に、ただただコツコツと~
- 2014/12/26(Fri) -
八つ手15

八つ手を彫った。

枯れた八つ手を拾っておいたのだった。
造形的に美しいと思った。
そのまま置いても飾りにもなる。
チャレンジしてみるのもいい。

厚めの朴材にスケッチをして切り取る。
7本の指がそれぞれ違う向きを指し、動きがあって面白い。
角度を持って直線的に伸びる葉柄がアクセントを付ける。
複雑に変化して手強そうだ。

彫る段取りを考える。
葉柄は構造的に見て一番最後とするのがいい。
まずは丸刀で葉の全体を薄くしていく。
厚さが3㍉ほどになったところで、それぞれの一枚ごとの形を作っていく。
実際の厚さに近づけて、中央の葉から彫り下げる。
外側から始めると、手が触れて折れる恐れがあるからだ。
場所や形によって刀を取り替えて彫る。
逆目や木口は材を回しながら彫らなければ、逆剥けや止痕ができる。
細部になるにつれ彫り方も押し彫りと引き彫りを使い分ける。
特に輪郭の彫りには息を止めるほどに慎重に刀を当てる。
葉の厚さがはっきり表れるところだから。
厚さはおよそ0.3ミリほど、ところどころ材が紙のように透けるほどに。
力の加減をコントロールできず、穴を空けてしまった。
それも虫喰いのようでいいことにしよう。
そして仕上げは葉柄部分。
付け根がボキッといかないように、そっとそっと細くしていく。

そしてできた。

 自負も悔も胸におさめて年惜む  (稲岡長)

八つ手11

八つ手11-1

八つ手12

八つ手13

八つ手14

八つ手16
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