
良寛さんに90箇条になる『良寛戒語』がある。
人の話をする姿、その様子について戒める。
その中から拾う。
一ことばの多き
一口のはやき
一手がら話
一人の言いきらぬ中に物言う
一話の長き
一自まん話
一たやすく約束する
一ことごとしく物言う
一物知り顔に言う
一人のことわりを聞き取らずしておのがことを言いとおす
一おれがこうしたこうした
一あう致しました、こう致しました、ましたましたのあまり重なる
一はなであしらう
12月に入り、巷間は賑やか。
いい話、うまい話、見事な話…。
視点と論点、現実と事実、感覚と感性、反省と謙虚…。
聞く、聴く、訊く耳を持つ。
見る、視る、観る目を持つ。
何が本当で何が嘘か。
何が可能で何が不可能か。
何処をを向いているのか、誰に向けているのか。
話していることと話していないこと。
やってきたこととやらなかったこと。
選り分けられる力。
庭の木々に残る葉たち。
美しいものは美しい。
饒舌な語りの中から、底にある真善美を見分ける。
かくれんぼ三つかぞえて冬となる (寺山修司)


