
サザンカは漢字で山茶花と書く。
だが、本来、「山茶花」と書かれるのは「椿」のことだという。
ではサザンカはどう書き表すのかというと「茶梅」が正しいと。
ややこしい話だが、『山茶花はなぜサザンカか』とい著の中で外山滋比古が解き明かしている。
要約するとこういうことだ。
・山茶花という名自体が誤り。
・「山茶花はじつはつばきの花なれども、古来、誤用し来れり」(『言泉』)
・「普通漢字で山茶花と書くが、これは茶梅と書くのが正しい」(平凡社「俳句歳時記」)
・ 山茶はツバキの漢名で、サザンカの中国名は茶梅。
・ 音としては古くはサンサカ、あるいはサンザカで、それが変化し、転じてサザンカになった。
言葉は時とともに本来の持つ意味や音から別の姿や形に変化する。
秋のやわらかな陽射しを受ける白い山茶花を見ながら、そんなことを思い出していた。
散りながら白山茶花の花盛り (三城佳代子)


