
小曲 大木惇夫
想ひ
かすかに
とらへしは、
風に
流るる
蜻蛉(あきつ)なり、
霧に
ただよふ
落ち葉なり、
影と
けはひを
われ歌ふ。
(大木惇夫『風・光・木の葉』大正14年より)
秋茜がやってきます。
2匹3匹、4匹5匹。
ジャーマンアイリスやカサブランカの葉の先などに留まっています。
同じところでじっとしています。
里の秋風を感じつつ、ゆるりの時間を過ごしているようです。
おもしろいのはほとんどが、ものの端やてっぺんなどの先端に留まることです。
なぜなんでしょう。
周りでは稲刈りを終えた田んぼが広がっています。
そのうち、雌雄が結ばれた形でその水たまりに卵を産む姿が見えることでしょう。
蜻蛉の力をぬいて葉先かな (粟津松彩子)
