
夏を過ぎたこの時期に咲く小振りのホスタがある。
花はまるでインクが染みたような色模様となる。
蕾の段階でその色斑は表出する。
これも一つの味わいだ。
昨日は三たび「菊慈童」を鑑賞する。
この作品は秋に観るといっそう春草の心が伝わる気がする。
背景の紅葉は彼が過ごした少年の頃のこの伊那谷の秋の色が頭の中にあったのかも知れない。
会期終了までにもう一度見に行こう。
今日は彼の命日、没後ちょうど100年目になる。
不熟の画家は満36歳でこの世を去った。
この忌日を「落葉(らくよう)忌」と私は名づけたい。
伊那谷の秋の木立に四十雀 (文)


