
このところ、朝のラジオからは「小さい秋」、「里の秋」、「故郷の空」など、秋の歌がよく流れる。
時宜を得た選曲に担当者のセンスがうかがえる。
栗が落ち、穂芒が輝き、秋の深まりが周りに広がりつつあるのが目にもわかる。
空も高く澄み渡り、まさに清明(あき)らかの様である。
天竜川の一帯には禾も飽き(あき)満ちてる。
樹々の葉もそろそろ紅(あき)く染まり始める。
おおーい、あきよー。
ぼくをどこかへつれていってくれないかー。
白い孔雀アスターが川風に揺れながら咲いている。
仕事は仕事、花は花。
風が一人の叙情を深める。
山国の秋迷ひなく木に空に (福田甲子雄)


