
菊芋の花である。
元気にさせるような鮮やかな黄色い花だ。
もともとは食用に植えたものだった。
今では家の周りに野生化している。
手間がかかるので、掘らなくなったからだ。
イチモンジセセリチョウ(一文字挵蝶)が楽しんでいる。
言葉はその前後に位置することで意味を持つ。
修飾するか修飾されるかの違いだ。
「菊芋」でいうなら、「菊のような形の花を持つ芋」ということになる。
つまりこれは芋に重きが置かれた、「芋」がメインの植物ということになる。
逆に「芋菊」なら,友禅菊の「友禅のような美しい菊」と同様、「芋のような形の菊」ということになる。
これは食するための芋としての存在価値が名前に表されている。
たとえば、
薔薇は美しいが棘がある。
薔薇は棘があるが美しい。
少しの言い回しで言葉の意味が大きく変わる。
話は飛躍するが、人に対してもそう、言葉は生きている。
それもよからう草が咲いてゐる (種田山頭火)

