
「心をこめた仕事」
心をこめた仕事は
生きている
ゆかの上に
こぼれたバケツの水の飛びしずくを
あなたがていねいに
ふいてくれたことだって
ちゃんと
わたしの心の中に
生きている
(東井義雄「いのちの言葉」より)
社会人に成り立ての頃、先輩に言われたいくつもの言葉が今でも残っている。
それは仕事への厳しさであったり、確かな観察力から生まれたものであったりする。
あるいは長い経験に裏付けられたものだったり、そのまた先輩から受け継がれてきたものであったりする。
この年になって新しいものを覚えようとすることは、古びて数が減ってきた私の脳細胞には負担のようだ。
しかし、若い頃に刷り込まれた記憶や技能はひょいっと顔を出して、さっさっと動いてくれる。
不思議なものである。
「はたらくとはなあ、はた(そばのひと)をらくにさせることなんだ」。
若いのに自ら気づき動き、気働きのできる人がいる。
とても助かる。
「仕事はいそがしい人に頼め」。
その通りと、実感する。
提出書類や様々な企画等、中味が充実しているのも、期日までにきちんと間に合わせるのも「いそがしい人」である。
「いそがしい人」は時間の使い方が上手い。
「いそがしい人」は見通しをもって仕事ができる。
「いそがしい人」は発想力がある。
「いそがしい人」には意志がある。
言われてするのでなく、言われる前にする。口よりも行動に重きを置いて。
数へ日のひと日ひと日とそばだてる (井沢正江)

