
「冬」
夜おそく起きていると
雨戸のとこへたれかきて
赤い花をあげましょう
赤い花をあげましょうって歌っているとおもう
(定本 八木重吉詩集より)
冷え込む。
マイナス4℃だった。
寒さは人を鍛えているように思う。
どう生きるべきか、知恵を授けているかのように思う。
柳宗悦は次のように述べている。
「眼と心が何時も新しく働かなければ美しさはその真実の姿を現してはくれぬ」。
「今 見ヨ イツ 見ルモ」と。
今そこにあるモノ、そこにあるコト、そこにいるヒト。
今日(こんにち)、今時(こんじ)、只今に正対して直視する。
心の眼で、広く、遠く、細かく、そして厳しく、そして温かく。
シクラメンの和名は篝火花だという。
なるほど燃えているようだ。
わが生きる心音トトと夜半の冬 (富安風生)