
「花」 高橋新吉
一輪の花の中に
久遠の春が宿っている
一人の人間に
無限の時間が流れている
花が人間になり、人間が花になる
無限の時間が春になり
春が無限の時間になる
仕事の上では一年の中にいくつもの山がある。
越して登って越して登ってと、幾度となく気力と体力を注ぎ込む。
それは一月の中でも同じことがいえる。
そして一週間の中にも、一日の中にも。
昨日はその一つを越した。
しかし、年度を終えるまでに一番大きな山が残されている。
自分に言い聞かせる。
「一歩、一歩だね」。
一輪の花。
一輪の冬の薔薇。
脳内三遷して冬薔薇に座を正す (原子公平)
