
「冬」
冬は
ことに夜になると凄い
けれど その気持ちのまんなかに
きっと明るいものが小さくともっている
(定本 八木重吉詩集より)
遅くまでの仕事があった。
チームで何度も確認しながらデータを打ち込んでいく。
数字の一つひとつに決してミスが許されない。
慎重の上にも慎重さが求められる。
きわめてデリケートで気の抜けない作業である。
まだしばらくはこうした緊張感のある書類作りが続く。
資料の向こうにある顔に思いを寄せ、願いを込めて丁寧な仕事をしよう。
終えて乗り込む車のハンドルは冷え切っている。
凍空の星の光はガラスのようだ。
凍星を組みたる神の遊びかな (須佐薫子)

