
「山茶花」
寒い日だ
山茶花の大きな木が
いっぱい花をつけている
美しく気を張っているらしい
「天気」
天気のいい昼間
日向へあるいて行って
じっとしていると
涙がにじんでくる
(定本 八木重吉詩集より)
12月入って最初の週末は穏やかな日和だった。
こんな日は暮れの用意や冬支度などを進めて運ぶにはふさわしい。
私はスタッドレスにした。
何時もこの時期にすると決めている。
ジャッキアップして4本入れ替える。
青空のもとで小一時間。
終える頃には首筋は汗に包まれる。
これで3月まで足回りは安心だ。
入れ替えたタイヤを少し離れた小屋まで運ぶ。
腰には心地いい疲労感。
白い山茶花が木漏れ日の中にある。
山茶花は四季の中でなぜ冬を選んだのだろう。
「白」が私を指弾する。
山茶花に咲き後れたる白さあり (宮田正和)
