
磯菊はその名の通り、主に海崖や砂浜に生える花である。
関東から中部にかけての温かい太平洋側を分布地とする。
そんな菊が寒々としたこのアルプスの見える地で花開くようになってから何年にもなる。
厚みのある緑色の葉は白で縁取られる。
園芸書では「イソギクは黄色い筒状花だけの花である」との説明がなされる。
しかし我が家にはその小さな両性花と周りに菊独特の白い舌状花を持つ2種類がある。
それらが混ざり合って咲いている。
どういう事かは分からないが、そういうことなのである。
初霜があった。車のフロントは全面白く覆われる。
ワイパーでこそぎ落としてから勤めに出る。
季節がまた進む。
木々も徐々に粧いを落とし、春までの眠り支度を始める。
磯菊に秋冷いたる竜の里 (文)

