トチモチ(栃餅) ~「ちょっと苦いかもしれない」~
- 2022/01/31(Mon) -
とち餅1

「こんにちは~」と元気な声がした。
穂波さんだとすぐわかった。
「とち餅作ったのでどうぞ」と。
「めずらしい。栃の実ははどうしたの」
「清人君が拾ってきてくれたの」
穂波さんは年上のご主人を君付けで呼ぶ。
若い頃からずっとそうらしい。
「ちょっと苦いかもしれない」
「あがっていかない?」
「まだほかにも配りに行くので、これで」
袋には薄茶の切餅が六つ入っていた。

家人が買い物から帰ってきた。
一つずつ食べた。
たしかに少し苦かった。

一月も終わる。
なぜか長く感じた。

   裸木の梢はなべて白みたり高きに向かふ風になぶらる  (恵)


とち餅2

とち餅3
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クリスマスローズ(Christmas rose) ~土のすぐ上に~
- 2022/01/30(Sun) -
クリスマスローズの蕾0411

クリスマスローズの蕾。
土のすぐ上に。

氷点下はまだ続く。
強い蕾たちだ。

みんな違った顔で。
みんな一所懸命。

   柊のとげ消ゆるごとわが性もまろくなりしか年重ね来て (百)

クリスマスローズの蕾0412

クリスマスローズの蕾0413

クリスマスローズの蕾0414

クリスマスローズの蕾0415

クリスマスローズの蕾0411-2

クリスマスローズの蕾0417
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ナンテン(南天の実) ~夏の白い花、冬の赤い実~
- 2022/01/29(Sat) -
南天の実0413

南天の鮮やかな赤い実。
多くの草木の眠る冬さなかにあって。
艶やかなそれはひときわ目立つ。
活気すら感じられて。

夏には白い花だった。
それから半年余。

   忘れたい時があり忘れられない時がある南天の赤い実を見ているとふと (上武旋転子)

南天の実0412

南天の実0411

南天の花
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雪催い(寒牡丹) ~お元気だろうか~
- 2022/01/28(Fri) -
雪催い041

部屋には冬の風物詩をまとめた叔父の紙細工。

藁囲いの中に牡丹。
手製の雪かき。
小山になった雪。
そばにはうさぎ。

このご時世の事にてなかなかお会いすることができない。
90も半ば過ぎの一人暮らし。
お元気だろうか。
そして今は何を拵えているのだろう。

きょうでしまって次の「鬼やらひ(追儺)」に替えることにする。

   カラスが一羽やってきて二声鳴いた彼も春が待ち遠しいか  (上武旋転子)

雪催い042

雪催い043

雪催い045

雪催い040
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ウメ(紅梅の蕾)  ~まだだいぶ先のよう~
- 2022/01/27(Thu) -
紅梅の蕾041

ちらほらと梅の開花の知らせが届きます。
家の紅梅はどうかと見てみました。
どの蕾も小さく、固く閉じています。
まだだいぶ先のようです。
こうして待っている時っていいですね。

太った茶トラの野良猫が庭を横切っていきました。
一瞬立ち止まって私の顔をちらっと見て。

   一月の梅の蕾はまだ固く北信濃の古庵にありし「一日一生」の言葉浮かぶ  (上武旋転子)

紅梅の蕾042

紅梅の蕾043

紅梅の蕾044
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冬の山(南アルプス北部) ~白菜と玉葱とたくあん~
- 2022/01/26(Wed) -
南アルプス830

久しぶりに穂波さんが訪ねてきてくれた。
白菜と玉葱とたくあんを持って。
「どこにもいけないね。沖縄旅行を計画していたんだけど。しばらく無理だね。じゃあね」

そういえばテレビで日本で一番早い花見の様子が紹介されていた。
やや濃い色の緋寒桜がいま見頃と。

東を眺めれば南アルプス北部の山なみ。
塩見岳から本谷岳、烏帽子岳、小河内岳、荒川岳。

   「遠くの山を見よ・空の鳥を見よ」重きもの裡に抱きて冬の午後  (居山聞涛)

塩見岳(3047)

本谷岳(2658)

烏帽子岳(2726)小河内岳(2802)

荒川岳(悪沢岳3141中岳3083前岳3068)
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ジンチョウゲ(白花沈丁花の蕾) ~「落ち着け」~
- 2022/01/25(Tue) -
白花沈丁花の蕾041

この頃草木に蕾の姿。
白花沈丁花にも多く。

咲く花には寒い冬の備え。
耐えて、越えて、待って。

気がつけば一月も末週。
日脚の伸びも感じられ。

   アトリエのラジオは田端義夫の特集なぜかこの頃一日が早く「落ち着け」 (上武旋転子)

白花沈丁花の蕾042

白花沈丁花の蕾043
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仙丈ヶ岳 ~どっしりとして~
- 2022/01/24(Mon) -
仙丈ヶ岳040

遠くに仙丈ヶ岳。
どっしりとして。

それを見ることのできるありがたさ。
疲れたときにはなお。

独り言を言いながら。
時に苦しみを吐き出して。

   観念の空転いつか発条の軋みとなりて吾が内占めり (恵)

仙丈ヶ岳041
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ツグミ(鶫) ~鳥語が話せれば~
- 2022/01/23(Sun) -
鶫041

朝食後、外に鳥の声。
「キュッキュッ、キュッキュッ」
湯呑みを持ったまま窓辺に立つ。
染井吉野の上の方にいた。
鶫だった。
「キーッ、キュッキュッキュッ」
「キュッキュッ」
何と話しているのだろう
鳥語が分かれば楽しいだろうなあ。

突然一羽の鵯(ヒヨドリ)が攻撃してきた。
鶫は逃げた。

飲み干す。
仕事に取りかかる。

   裸木の鶫は何を語る氷点下9℃の朝陽の温みしみじみとうれし (上武旋転子)

鶫042

鶫043
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オオイヌノフグリ (大犬の陰嚢) ~焦らず丁寧に~
- 2022/01/22(Sat) -
大犬の陰嚢04014

近視的な作業が続きます。
外に出て目を休ませます。

ユキヤナギの下でオオイヌノフグリが咲いています。
空色の小さなかわいい花です。
まだ少しだけですが。
野にも少しずつ春の息吹が感じられます。

戻ります。
脚元のフットヒーターのスイッチをonにして……。
ライトを点け、メガネを外して……。

一月の内には仕上げる予定の仕事です。
若干遅れ気味ですが焦らず丁寧に進めます。

   枯れ枝ばかり見えゐる窓にはつかなる光り流れて行きし白雲  (恵)

大犬の陰嚢04012

大犬の陰嚢04013

大犬の陰嚢04015
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大寒の朝 ~いい雪模様~
- 2022/01/21(Fri) -
1雪の南天

昨日の大寒の朝は雪でした。
それほど多くはありませんが木々は白く覆われます。

赤い実を付けた南天。
蕾の臘梅、馬酔木、満天星躑躅、西洋石楠花、満作。
山梔子は全体に。

いい雪模様です。
そのうちそれぞれの木の雪はみんな融けました。
これで寒さも峠となるのでしょう。

   時は流れていく雪のようにふわふわと過去を覆い隠して (上武旋転子)

2雪の臘梅

3雪の馬酔木

4雪の満天星躑躅

5雪の西洋石楠花

6雪の満作

7雪の山梔子
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アオキ(青木の実) ~友人から「遊びに来ないか」と~
- 2022/01/20(Thu) -
青木041

昨日、近隣の市に住む版画家の友人から電話があった。
国際的に活躍する彼は別途県境の山村にアトリエを構えている。
電話はそこからだった。
「遊びに来ないか。お茶でも飲んでゆっくり話をしよう」
「今はエッチングの小品を作っていて、1月の内には終わりそうだから2月か3月頃にどうだ」と。
若い頃からの長い付き合いだが、実は彼のアトリエを訪ねたことはない。
「ありがとう。Kの都合のいいときに声をかけてくれれば1日予定を空けて飛んで行くよ」と答えた。
「わかった。今度の仕事が一段落したら連絡する。その時はぜひ奥さんも一緒にな」
その村は我が家から車で一時間半程はかかる。
同じ県内だが、ほとんど行く用のないところで、前回そこを通ったのは25年近く前の事だった気がする。
会うとなれば、昨年11月に共通の友人の個展にあわせての「三人昼食会」以来ということになる。
その時は20代の頃の思い出話などで盛り上がった。
今度は彼の作品の鑑賞と、芸術観を聞くのが楽しみだ。
時を経てもこうして変わらず声をかけてくれる友人がいることはありがたいことである。

枇杷の木の下に斑入りのアオキがある
一年中、葉と枝が青々としている。
画家達はそれに「青春や生命力」を暗示し描くのだと聞いたことがある。

   大寒に四つ一つと青木の実 (奈美あや)

青木042

青木043

青木044
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スイセン(水仙の芽) ~ニコニコニコ~
- 2022/01/19(Wed) -
水仙の芽041

もう何年も植えっぱなしの水仙があります。
朝陽が昇って最初に当たるところです。
山茶花の下です。
いくつも芽が出ていました。
小さな濃い黄色の花を咲かせます。

ニコニコニコ。
うれしくなりますね。
げんきをもらえますね。

   後悔の夢を見て目が覚めればカーテンの隙間より満月の光射す  (居山聞涛)

水仙の芽042

水仙の芽043
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凍る ~気に入っていた~
- 2022/01/18(Tue) -
凍る042

黒革の手袋を失くした。
裏地にカシミヤが施されて暖かく、サイズもフィットして気に入っていた。
部屋中の思い当たるすべてのところを探したが出てこない。
防寒着のポケットなども。
車の中もシートの下まで。
その日唯一外出したのは眼科である。
もしかししてそこに置き忘れかと、電話で問い合わせた。
しかし忘れ物はないという。
諦める。

家の西の隅には小さな滝のようになって水が流れ落ちるところがある。
冷えた朝は、それがぶつかりあったり跳ね上がったりして周りが凍る。
それは複雑で繊細で不思議な氷の形を造型する。
厳しい冬ならではの自然美である。

   ひとつこと思ひ惱みつつ吾が部屋の灰色の壁に今日(けふ)もい向かふ  (松)

凍る043

凍る041

凍る044

凍る045

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キジバト(雉鳩) ~寒い中でもいっしょ~
- 2022/01/17(Mon) -
雉鳩0411

木が裸になる今は鳥の姿を隠れることなく見ることができます。

小柿にとまったのは番のキジバトでした。
まわりには取り残された小さな黒い実があります。
でもそれを食べるというわけでもなさそうです。
固まったように同じポーズのままじっとしています。

数分して少し離れた木にカラスがとまりました。
番は飛んでいきました。

窓から眺める外にはまだ先日の雪が残っています。
沖縄からは早くも寒緋桜の開花の便りが届きます。

   心ふたつ相逢ふ時も無きままに無きままにして今日(けふ)も昨日(きのふ)も  (松)

雉鳩0412

雉鳩0413
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クリスマスローズ(Christmas rose) ~雪の中から~
- 2022/01/16(Sun) -
雪とクリスマスローズ041

中庭の小径の両側にはクリスマスローズが並ぶ。
雪が降り、一面を覆った。
朝、その中から蕾(花茎)が顔を出す。
今は準備をととのえその時機が来るのを待っている。

「おはよう」
「おはようございます」

   過去の修羅埋め尽くしたる雪深き朝光のわれにまぶしき (百)

雪とクリスマスローズ042

雪とクリスマスローズ043

雪とクリスマスローズ044

雪とクリスマスローズ045
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ホオジロ(頬白) ~雪かき~
- 2022/01/15(Sat) -
ホオジロ04011

朝は雪が積もっていました。
雪かきです。
庭を済ませ、家への出入り口をします。
すると急に交通量が多くなりました。
普段あまり通らないような大きなトラックも走ります。
見える先の交差点にパトカーが止まって赤色灯が回転しています。
おまわりさんが動く姿も見えます。
どうやら事故があったようです。
それで通行止めになり、車を迂回させていたのです。
それが家の前の道路に流れてきたのです。

量はさほど多くはありませんでしたので、40分程で終わりました。
道具を片付けます。
少し先に頰白が二羽とまっていました。
上にメス、下にオスの番です。
この寒い中、お揃いで餌になるものを探しに来たのでしょうか。

部屋に入ってお茶を淹れて暖まります。
茶筒の中が少なくなっています。
買いに行かなくてはならないようです。

   一面の純白の野に朝日射し雪積めるものみなまろやかに  (百)

ホオジロ040112
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シンビジウム(Cymbidium:パームライン'ルナ') ~毎年の暮れには~
- 2022/01/14(Fri) -
パームラインルナ041

毎年の暮れにはシンビジウムを用意する。
毎年ということは、すなわち毎年その一年で駄目にしているということでもある。

今回はパームライン'ルナ'。
レモンイエローの中に赤い色が入ってアクセントをつける。

春の花が出始める頃まで持ってくれるとありがたいが。

   堪へ忍ぶ心に慣れてわが命今日(けふ)もまたただにかくて送りし (松)

パームラインルナ042

パームラインルナ043

パームラインルナ044
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トクサ(木賊・砥草) ~万全の対策と細心の注意~
- 2022/01/13(Thu) -
木賊1131

きょうは公的手続きを必要とする用があってどうしても出かけなければならない。
おそろしい程の感染急拡大の中ではあるが、延期とか、代理ということが利かない。
できるうる万全の対策と細心の注意を払って受けてこよう。

枯れが広がる庭に木賊が立っている。
わずかに去年からの緑を残して。

色は必ずなくなる。
形は必ず壊れる。

   明日(あす)有りと思ふ心は捨てし身の今日は今日のみ生くる心を  (松)

木賊1132

木賊1133
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サクラ(大阪冬桜) ~一月の雨~
- 2022/01/12(Wed) -
大阪冬桜0411

朝から雨が降っていました。
通常この時期なら雪なのでしょうが。

窓辺に立って外を眺めます。
さすがに鳥の姿はありません。

指に割れが入って痛いのです。
右手の親指と左手の人差し指の爪との間です。

「餅は何枚にする?」と訊きます。
「二枚」と答えました。

家の中の飾り物はすべて片付きました。
部屋には十二月の内に切った大阪冬桜の一枝がまだ咲いています。

   寝ることの安らぎ寂しささびしさを知りゐるほどに吾は寝るべし  (恵)

大阪冬桜0412

大阪冬桜0413
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冬の山(中央アルプス南部) ~晴天に誘われて~
- 2022/01/11(Tue) -
中央アルプス南部

天竜川を挟んで、西に中央アルプス南部の山々、東には南アルプスの北部の山々が見える。
陽が昇った後の朝は中央アルプスを、陽が回った午後からは南アルプスを眺めるのがいい。
それぞれにコントラストのある陰影が雪の稜線や山容をくっきりと浮かび上がらせる。

道に立ち、中央アルプス南部の雪嶺を望む。
正面に摺鉢窪カール。
それを挟む形で左手(南)に南駒ヶ岳と右手(北)に赤椰岳。
さらに南側には仙涯嶺、北側には丸い頂の田切岳となだらかな空木岳が延びる。
いずれも2,800前後の嶺々。

太古の昔からそこに悠然と聳え立ち。
厳しさと優しさを備えて。

昨日の朝、晴天に誘われて。

   冬山を眺む我が生をすべて見られている気がして (居山聞涛)

摺鉢窪カール

南駒ヶ岳2841

赤椰岳2798

田切岳784

空木岳2864
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セローム(selloum) ~引き留めた~
- 2022/01/10(Mon) -
セローム041

名古屋へ行く予定のあった家人を引き留めた。
昨年の12月にプランを立てて楽しみに準備してきた。
でも、全国的に急拡大している現下の感染状況を鑑みれば、慎重にならざるを得ない。
県内でも感染者数が急増し、生活圏域も感染警戒レベルが引き上げられた。
話合い、納得してくれた。
そしてすぐに往復のバスとホテルの4泊すべてをキャンセルした。
安堵する。
穂波さんからいただいた干柿を一緒に食べた。

私が日常過ごす部屋にはセロームがある。
今から10年前の秋に三人の知人が訪ねてきてくれた。
その折に記念にとプレゼントされたもの。
萎れたり、枯れそうになったりしたこともあったが、よく持ちこたえている。

   流されて過ぎゆくわれに或る日ふとささやくものあり「死の備へせよ」 (百)

セローム042

干柿
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ジョウビタキ(尉鶲) ~描き初め~
- 2022/01/09(Sun) -
尉鶲0411

知人からメールが届いた。
高台にて、遠望する仙丈ヶ岳を描いているのだと。
連日厳しい寒さが続く中の戸外、絵筆を持つ手もかなり冷えるのではないか。
人物をモチーフにすることが多い彼女だが、風景画とは珍しい。
いつもながらの絵(表現)に対する情熱に私も奮起させられる。
仕上がった折には見せていただこう。

彫刻刀を置いて庭に出る。
ジョウビタキがソメイヨシノに止まっていた。
珍しく雄一羽だけ。
このところはいつもメスと一緒だったのに。

鼻水がよく出る日だった。

   冬枯れの野は淋しかり疎林に鳥の一羽舞ひたつ (恵)

尉鶲0412

尉鶲0413

尉鶲0414
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アルストロメリア(Alstromeria)~松過ぎ~
- 2022/01/08(Sat) -
アルストロメリア041

気持ちのいい晴れの日でした。

玄関を掃きました。
花活けには4色のアルストロメリアが挿してあります。

掛け布団を干しました。
敷き布団も干しました。
シーツを替えました。
枕カバーも替えました。

掃除機をかけました。
フローリングワイパーで拭きました。

掃除は好きです。
片付けるのも好きです。

松が過ぎました。
訪ね人のない松の内でした。

    「みかんと干柿とどっちがいい」と聞かれ「どっちでも」と答えて座る七日の老い二人時間  (居山聞涛)

アルストロメリア042

アルストロメリア043

アルストロメリア044

アルストロメリア045

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レオパとレオコ(レオパードゲッコウ・豹紋蜥蜴擬) ~脱げましておめでとうございます~
- 2022/01/07(Fri) -
レオパの脱皮04011

レオパが脱皮中だった。
大部分は脱げているが、顔の周りや胴と脚の一部はまだ残っている。
それを口で引き剥がすようにして食べる。
そして「おいしかった」というかのように赤い舌をペロペロと。
年に何度も脱皮するが、そのちょうどのタイミングだった。
妹のレオコはそばで静かに見ている。

レオパードゲッコウはヤモリの仲間で、とてもおとなしく世話がかからない。
そして見かけによらず丈夫で、餌がなくなりそのまま一週間食べずにいても元気でいる。
健康でこれまで病気らしい病気をしたこともない。

レオパが我が家に来たのは15年ほど前。
人間に換算すればすでに後期高齢者の域に入るが、体型はその頃とあまり変わっていない。
レオコは5年前の秋に。
実は私達はいまだオスかメスか知らずにいるが、勝手に女の子ということにしている。
以来二匹は狭い一部屋に同居し、互いを尊重し合いながら仲良く暮らしている。

一番の濃厚接触者は家人。
エプロンのポケットに入れて仕事したり、左の掌に乗せて、右手でコーヒーを飲んだり。
両手で持って首の下を指先でこちょこちょしながらテレビを見たり。
時々、チュッチュッとも。
もっとも、彼等はほとんど反応することはなく無表情。
気持ちいのか、いやなのかよくわからない。

そういえば今年初めての脱皮。
「脱げましておめでとうございます」

   霜柱踏めばさくさくくづるるを心明るく年賀に急ぐ (松)

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キク(菊) ~身の幸は何も欲(ほ)りせず~
- 2022/01/06(Thu) -
正月の菊041

見上げる青空でトンビが三羽のカラスに絡まれていました。
どうしたんでしょう。
大きなトンビは逃げるのですが、カラスはチームになって執拗に攻撃します。
なかよくしましょう。

部屋には鉢植えの菊の花があります。
晴の日は窓辺に移して陽に当てます。
今月いっぱいはもつでしょうか。

一月も六日となりました。

大寒はこれからです。

   身の幸は何も欲(ほ)りせず唯ひとつ一つなる心の願ひ (松)

正月の菊042

正月の菊043

正月の菊044
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ジョウビタキ(尉鶲) ~「仲よき事は……」~
- 2022/01/05(Wed) -
尉鶲雄043

昨日の朝、食事を終え、お茶を飲みながら仕事の段取りを考えていた。
と、窓の外でジョウビタキの声がする。
ツッツッツッ。
そしてカタカタカタと。
立ち上がってガラス越しに庭を見る。
番がいた。

一羽が木を移れば、もう一羽がその後を追いかけて横へ。
梅から桜、臘梅に楓にと。
ときどき、離れて視界から消えたりするが、またすぐに戻ってくる。
雄にはガーデンチェアーの背も止まり心地がいいらしい。
そんなことを繰り返しながらしばらく、ツッツッツッ、カタカタタと。
睦まじく楽しそうに。

雌が降りてクリスマスローズの葉の上に。
そして海老根の横に移動すると赤い小さな実を見付けて嘴に挟む。
この時期だからそれはマサキのだろうか。

微笑ましい二羽の様子を見ていて、ふと浮かんだのは武者小路実篤の色紙。
描かれた南瓜に添えられていた言葉は「仲よき事は美しき哉」。

「また髪を切ってね」と言われた。
名古屋へ出かけるらしい。
今日の午前中の仕事を済ませてからしよう。

   今日の日もすでに終わりぬ一日のわが成せしことの少なさを思ふ (松)

尉鶲雌041

尉鶲雌042
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コチョウラン(ミニ胡蝶蘭) ~今年初めての~
- 2022/01/04(Tue) -
ミニ胡蝶蘭041


庭の小径を雉鳩が歩いている。
風は少し強い。
李の木では四十雀が鳴いている。
雲は無い。

思いを行動に。
考えを実践に。
心は調えたか。
体は整ったか。

今日は今年初めてのゴミ出しの日。
お節は空っぽになった。

   画集の『道』の絵を見ている隣の部屋のテレビからはソプラノが響く三日 (上武旋転子)

ミニ胡蝶蘭042

ミニ胡蝶蘭043
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初詣 ~秘めた願いと新たな誓い~
- 2022/01/03(Mon) -
初詣041

初日の出を見た後の元日のお節の時。
「11:50に出れば一番いいんじゃない?」と家人。

初詣は毎年車で30分ほどのところにある古刹へ。
昼食時なら混雑を避けられるのではないかと。
しかし、考えることは誰も一緒のようで、メイン道路から左折して寺に向かう道はすでに車の長い列。
ちょっと動いては停まりを繰り返して少しずつ前に進む。
車窓から右手には宝剣岳と千畳敷カール。
動かない時間、その景色を眺める。
ようやく駐車場。
降りて山門をくぐり杉並木の続く参道に立つと、そこも長蛇の人の列。
石畳は凍結した雪が人の足で磨かれたようになっていて滑る。
好天なのだが、樹齢数百年の巨木に遮られて陽は差し込まず寒い。
前の列の母親が「ちゃんと手を繋いでいなさい」と強い口調で子どもに。
本堂前の石段では人数を制限して上がらせていた。
本尊を正面にして、静かに「秘めた願いと新たな誓い」の手を合わせる。
昨年は出ていなかった寺のシンボルの霊犬(木彫)が鎮座していたのもうれしい。
三重の塔の脇を下って鐘楼の横に出る。
その入り口は塞がれ打鐘は禁止となっていた。
そして再び参道に合流すると、人の列は来たときと変わらず山門近くまで伸びている。
足を乗せるところを選びながら慎重に歩を進める。
車にたどり着きエンジンをかけてほっとする。
駐車場を出ると、下る道はまだ車が長く繋がっていた。

家に着くなり家人は「ああ、疲れた」。
過去の心をリセットする一年に一度だけの特別な時間と空間と儀式。
私は清々しかった。

   胸の内人に語らず見せず両の手に包み収めて初詣  (居山聞涛)

初詣042

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初日の出 ~雲の中に~
- 2022/01/02(Sun) -
初日の出041

元朝、6:45。
初日を見るために高台にあるいつもの広場に向かう。
すでに5台の車が駐まっていた。
外に出る。
かなり冷えている。
-8℃くらいにはなっているか。
少し山の端が赤い色に染まる。
その上を覆うように厚い雲が横たわる。
車が増える。
さらに明るさが増す。
待つ。
手がかじかむ。
黙って待つ。
見つめるその箇所が一気にぱっと明るくなる。
まばゆい。
上ったようだ。
だがその形は雲の向こうにあって見えない。
もう少し……。
「帰ろう」「ねえ、帰ろうよ」「もう帰ろう」と何度も促される。
車が1台、2台と出て行く。
雲が動く気配はない。
私達も帰る。

   初日はたしかにそこにあると明るき雲の一点にかじかむ手を合わせる  (上武旋転子)

初日の出042

初日の出043

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シンビジウム(Cymbidium) ~よいことが何か有りそうに思はれ~
- 2022/01/01(Sat) -
シンビジウム04101

昨日と同じような今朝の起床。
でも昨日はすでに去年。
そして今朝は新たな年。
体は何も変わらない一日の始まりだけど。
心には漲る何かが生まれているような朝。

『第九』を観終わって、「明日の朝はいつものように南アルプスから上る初日の出を見てくるから」と話した。
すると、「私も一緒に行く」と珍しいことを言う。
何か思うところがあるのか。

そして4時00分。
新聞はすでに届いている。
だいぶ冷えている。
星が煌めいている。
期待できそうだ。
暖かくして行こう。

家人はまだ起きてこない。
真っ白な日記帳を開く。
背をただして「年頭の所感」を書く。

   よいことが何か有りそうに思はれて心ほがらかに初日おろがむ (松)

木村武山「竹の図」

シンビジウム04102

シンビジウム04103

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