コルチカム(colchicum・イヌサフラン) ~過ぎ去った時の香り~
- 2021/09/30(Thu) -
コルチカム01

コルチカムが3輪。
山茶花の下にある。
やさしい藤桃色と形。
惹かれる。
秋言葉が出てきそう。
その中にイチモンジセセリがいる。

「コルチカムは蓮の花に似てますね」と言った人がいた。

  秋澄むや藤桃色のコルチカムに過ぎ去ったた時の香り (居山聞涛)

コルチカム032

コルチカム033

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キクイモ(菊芋) ~「子連れの……」~
- 2021/09/30(Thu) -
菊芋031

昨日、町から熊の出没について注意喚起の広報が流れた。
「○○地区の林道で子連れの熊の目撃情報がありました」
「子連れの親熊は警戒心が強く危害を及ぼす恐れがあります」
「キノコ採りなどで、入山する際には鈴などの鳴り物を身につけ十分な注意をしてください」
距離的にはだいぶ離れた場所なので心配はない。

キクイモも咲く。
黄色い花は少しヒマワリにも似る。
11月頃になると芋を収穫する。

   青い空に腕を伸ばして自分を励ます言葉を大きく書く九月尽  (実野滸人)

菊芋032

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イチジク(無花果・ゼブラスイート) ~登って採る~
- 2021/09/29(Wed) -
ゼブラスイート031

収穫期を迎えた大きな無花果の木がある。
ゼブラスイートという品種で、黄色に緑の縞が入る実がなる。
それが今、地面近くからてっぺんまでたくさん。

一回目の収穫をした。
脚立を立てて、熟したものからひとつ一つ軽く捩って捥ぎ採る。
上の方は手が届かない。
それは木に登って鈎の付いた収穫棒で枝を引き寄せて採る。
前に掛けた収穫袋が重くなるので、一旦降りてレジ袋に移す。
ついでにひとつ口に入れる。
私は一切消毒しないので採ったものをそのまま食べることができる。
皮がやわらかくてとても甘い。
3袋分になった。

家に戻り、編籠に移す。
二つは自家用、一つはお届け分。
そして残りを4つ割りにして干す。

この無花果は実り期間が長く、この先11月初旬まで収穫できるので、だいたい3日おきくらいに採る。
枝が裂けやすいので、落ちないように気をつけつつ。

  「栗と無花果どっちがいい」と聞かれ「どっちも」と答える二人のお茶時間  (上武旋転子)

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ゼブラスイート033

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コブシ(辛夷の実) ~食べられない~
- 2021/09/29(Wed) -
辛夷の実031

地面に濃朱の小さな実が転がっている。。
あるいはそれらがまとまったままで。

辛夷は高くなりすぎた。
以前から半分に切ろうと決めているがまだ実行できていない。
今年の末か、来年の1月頃までにはきっとやろう。

それも実を付ける時期。
いくつもが集まり一つのかたまりとなる袋果。
そのデコボコした形はたしかに握り拳に似る。

秋の実ならなんでもおいしいイメージがあるがこの鮮やか色の丸い実は食することはできない。
鳥たちには問題ないようで、ヒヨドリが時々来ている。

   秋は実り見上げる辛夷にも赤い実鳥来て啄みこぼしゆく (居山聞涛)

辛夷の実032

辛夷の実033

辛夷の実034

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シロホトトギス(白杜鵑草) ~ひっそりと咲く~
- 2021/09/28(Tue) -
白杜鵑草031

秋の長閑。
こころ寂し。

背の高い花々の中、地に近いところでシロホトトギスがひっそりと。
蕊にはビーズ玉のような透明なつぶつぶ。

百舌が鳴いている。

   寂しき心抱きて歩むれば杉の先にて百舌高く唄う  (居山聞涛)

白杜鵑草032

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白杜鵑草034

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アシタバ(明日葉) ~鮮やかな色模様と黒いペディキュア~
- 2021/09/27(Mon) -
明日葉の花031

アシタバに花が咲き出した。
まだ蕾の方が多く、盛りはこれからといったところ。
葉は食物繊維や多くの栄養素を含んでおり、独特の強い香りと風味があって好きな野菜のひとつだ。

それはまた虫たちにとっても好物のようだ。
数匹のキアゲハの幼虫が腰を撓らせ頭を上下に振って食べている。
いくつかの葉はすでにその輪郭が大きく損なわれている。
蕾の袋を破いて食べているのもいる。
口の動きは感心するほど細かくて速い。
見ていて楽しい。

体全体は鮮やかな色模様でコーディネート。
足の先には艶やかな黒いペディキュアでおしゃれも。
「たくさん栄養を摂ってきれいな羽を作って、そこら中を飛んでくれよな」

   今は亡き従兄弟の著作を読み終えて歩く小径黄揚羽の幼虫には食欲の秋  (上武旋転子)

明日葉の花032

明日葉にキアゲハの幼虫031

明日葉にキアゲハの幼虫032

明日葉にキアゲハの幼虫033

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明日葉にキアゲハの幼虫035
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「2021私の夏の思い出」(仮題) ~石膏直付けで作る~
- 2021/09/26(Sun) -
1-1正面

夏の盛りのことだった。
若い女性の胸像を実物大で作ろう、そう思った。
制作はそんな大雑把でスタート。

モデルはいない。
形や顔は作りながら練っていく。
どんな子が現れるか私自身も完成するまでは分からない。

心棒を立てる。
発泡スチロールでおよその動きと量を出す。
あとはイメージを膨らませながら、石膏を付けては削り、削っては付けるを繰り返して表現していく。
鎖骨と肩、背中はだいたいこんな感じだろう。
胸部もだんだん女性らしいやわらかさが。
顔のパーツも揃って、表情も出てきた。
左右の腕は長さや角度のバランスを考えて切る。
髪型をどうするか少し悩んだが、オーソドックスなショートに。
そして変化をつけるため左耳だけを出し、右耳は覆ってわずかに覗かせる。
造型終了。
着色して完成。

浮かんだ作品名はその若い女性が経験した楽しかっただろう“「2021私の夏の思い出」”。

芸術の秋。
11月までにはもう一点作ろう。

   小さな諍いの後アトリエに籠もる像の前に立てばひたすら「無」の中に  (居山聞涛)

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クジャクアスター(白孔雀) ~思い出と消しゴム~
- 2021/09/25(Sat) -
クジャクアスター031

栗を拾い、水につけ、皮を剥く。
それは私の仕事。
それからあとは食べる人。
朝は栗ご飯でお茶の時間に出してくれたのは渋皮煮。
次はどんな姿で出てくるか。
しばらくは栗三昧。

庭の片隅には白いクジャクアスター。
調べた花言葉には「美しい思い出」も。
私にもそうした思い出がないでもないが、でも逆の苦い、辛い、申し訳ない等の方が強いか。
それらが鉛筆で書かれた人生物語なら、消しゴムでこすって消したいと。

家人は栗をいくつかの袋に入れて「届けてくるね」と出かけた。

   仕事片付きティーカップ手に漫ろ歩けば枯れ向日葵に雀来て遊ぶ (上武旋転子)

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ガイラルディア(Gaillardia・天人菊) ~赤とんぼと稲刈り~
- 2021/09/24(Fri) -
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ガイラルディアが咲いている。
花は内側が赤褐色で外環は黄色。

初めて植えたのはたぶん20年以上前になると思う。
隣の松山さんが分けてくださった一株だった。
それ以来こぼれ種から毎年。


赤とんぼが10匹ほど飛ぶ。
近くでは稲刈り。

   目にとまるもの耳に届くもの秋はや深みて風も光る (上武旋転子)

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ヒガンバナ(彼岸花) ~若い頃の旅の追想~
- 2021/09/23(Thu) -
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彼岸花はどの角度、どの視線で見ても美しい。
部分もひとつもたくさんのまとまりも。

今朝の花は雨粒を乗せ。
蕾も雨粒を付け。
細い蕊にも垂れ。
それぞれの中には光る太陽を入れて。
まるで大小様々な水晶のように。

大学2年の秋、私は講座の一環として指導教授に率いられ仲間とともに一泊二日で奈良を訪ねた。
自由行動の時間で、私が選んだのは県をまたいで京都側にある『当尾の里』。
一人で歩く岩船寺から浄瑠璃寺へ向かう野や畦には彼岸花が連なって咲いていた。
その道々には草木に同化するようにいくつもの古い石仏がひっそりとあった。
今でもその様がありありと浮かぶほど、心に深く残っている。
私が庭にこの花を植えたのはその時の追想からだったような気がする。

彼岸花には神秘的な造形美がある。
そして優しい物語を生む花である。

  追想の中にあるひがんばなはいつしか庭に群がり揺れて (居山聞涛)

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フジバカマ(藤袴) ~この頃のフッフッフッ~
- 2021/09/22(Wed) -
藤袴2031

外作業する時は5本指ソックスを履く。
先日は指がなかなかうまく入らなかった。
よく見れば左用を右足に履こうとしていた。
フッフッフッ。

1杯分が袋に入ったドリップタイプのレギュラー・コーヒーを飲もうとした。
袋の口を切ったと同時に落とした。
コーヒーは床に散らばった。
フッフッフッ。

隣の市に用事があって出かけたついでに、ある量販店に立ち寄ってプリンターのインクセットを買った。
6,028円だった。
家路に就く途中、いつも買う近くの店に寄った。
同じものが5,480円で売っていた。
フッフッフッ。

栗拾いに若い女性がやって来た。
初めてするのだという。
「蚊がいるから気をつけてね」と声をかけた。
彼女は長袖を着ていた。
私は半袖だった。
刺されたのは私だけだった。
それも3箇所。
フッフッフッ。

藤袴に立羽蝶がとまっていた。
いいなあ。
何思っているんだろう。

   藤袴に立羽蝶の幸せ一茎を切って挿しトイレも秋  (上武旋転子)

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クリ(栗・丹沢)  ~毎朝の始まりは籠一つ分~
- 2021/09/21(Tue) -
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9月も下旬に入り、実りの秋は我が家にも。
その一つ、栗も少し前から落ち始めた。
若い頃に植えたそれは“丹沢”という大実の栗。
幹回りは1㍍を優に超え、枝は大きく広がる。

朝に拾う。
時々、毬(いが)が手袋を抜けて手を刺すがそれも楽しい。
だいたい籠一つ分。
しばらく一日の始まりはそれから。

   落ちて毬からこぼれ出す艶やかなる栗の実棘の痛さも楽しき朝  (居山聞涛)

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アスターと沢桔梗 ~静かな秋~
- 2021/09/20(Mon) -
アスター(赤)031

夏から取り組んできた仕事も一段落し、少しゆったりと過ごす。
ひとつ一つの道具の汚れを取ったり磨いたりして。
作業はバックに音楽を流しながらすることが多いが、この数日はそれも一切止めて。
聞こえるのは虫とミンミンゼミと鳥の声。
そして横の川の流れ。

庭を歩く。
白い杜鵑草が咲いている。
秋明菊や孔雀アスターも。
瑠璃玉薊には蕾。
コスモスは風に揺れ。
赤いアスターはまだ咲き続け。
黄色い女郎花の前には青紫の沢桔梗がすくっと立つ。
向日葵は茶色の枯れ姿に変わり。

静かな秋。
澄む秋。

   外の秋自分の中の秋時は静かに進み言葉を選ぶ秋  (上武旋転子)

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アスター(赤)033

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紫の花032

紫の花033

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タカノハススキ(鷹の羽薄) ~ぶらぶらと小さな花が…~
- 2021/09/19(Sun) -
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鷹の羽薄の穂が伸びて風に揺れる。
その中にいくつもの小さな花がある。
花びらはなく、濃い紫のブラシ状のが雌しべ。
白糸に垂れる黄色い米粒のようなのが雄しべ、
それらがしばらくして実を結び、あの綿毛の穂となる。

総体としての薄の様の風情は言うまでもないが、さらに目を近づけてそんな小さな花を見るのもまた楽しい。

   一人風に身を置く秋時間斑入りの葉はさやさやと  (上武旋転子)

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鷹の羽芒033

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ゲッカビジン(月下美人の蕾) ~今年5度目~
- 2021/09/18(Sat) -
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昨日の10時頃のことである。
アトリエで制作していると町の広報が流れた。
「台風14号の接近にともない、県内においても今後大雨と強風が予想されています」
「農作物や家屋への対策と備えを明るいうちに行ってください」

外に出ると、空は青く秋らしい穏やかな日和だ。
とりあえず背の高い月下美人の鉢だけを中に入れることにした。
そして運ぼうとして手にかけた時だった。
蕾がついている。
それも4つ。
1週間前に四度目の花を咲かせてくれたばかりだ。
まだ1㎝から2㎝ほどの大きさだが、あと10日もすれば開花となるのだろう。
長年育ててきたが、1年に五度というのは初めてのことである。
今年はいったいどうしたのだろう。
体力を消耗しないかと心配にもなる。
ともあれまた馥郁たるあでやかな美人と一夜を過ごすことができるかと思うと楽しみだ。

当地では梨など、果樹の収穫期に入っている。
被害が出なければいいのだが。

   思い出す子供の頃学校へ避難した甚大な被害の台風父は一人残って家を守り (居山聞涛) 

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バラ(薔薇・ピンクノックアウト) ~百舌よどう思う~
- 2021/09/17(Fri) -
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涼しさ増すこの頃、庭には再び薔薇の花も。
やさしい色合いはピンクノックアウト。
数は少なく、大きさもやや小振りで。
葉も初夏の勢いある青々さとは少し違い。
でも持つ甘い香りは変わらず鼻の奥まで広がる。

秋の薔薇にある少しの寂しさ。
秋薔薇(あきそうび)という言葉にあるゆかしさ。

キチキチキチ……。
近くに百舌が来たようだ。

   薔薇を言う棘があるけど美しいと美しいけど棘があると百舌よどう思う  (上武旋転子)

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ワレモコウ(吾亦紅) ~花にあるそれぞれの想い~
- 2021/09/16(Thu) -
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私が庭に植えた花や木のいくつかは過去の思い出と繋がっている。
桧扇は学生時代の万葉集。
杏は下宿の腰の曲がったおばちゃん。
南天や八つ手は菱田春草の《早春》。
伐ってしまったが公孫樹は光太郎。
甘柿には数年だけしか同じ時を過ごすことが出来なかった義父。
李や著莪や福寿草や繡線菊などにも。

藤袴に並んで吾亦紅も咲き始める。
これはにはただ“吾亦紅”の文字と“ワレモコウ”の響きに趣を感じてだったような気がする。

花見て想うこと、浮かび来るもの、思い出す人。
庭の秋も進み、感傷も進む。

   いまだ品格備わらずこの歳ゆらゆらと吾亦紅を見る  (居山聞涛)

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アスター(Aster) ~歌の通りになった~
- 2021/09/15(Wed) -
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数日前に藪蘭を撮ったあと、机の上に置いたカメラにレンズキャップがないのに気がついた。
庭のどこかで落としたのだろうと、いろんな場所を探したが見つからなかった。
家人にも伝えて気をつけて見るように頼んだ。

昨日アトリエの片づけをした。
机も隅々まできれいに拭いた。
あった。
アトリエの机には二段の本棚を備え付けてある。
上は制作資料等、下にはCDが並ぶ。
その棚の下の右奥、ちょうど暗くて死角になるところにあった。
カメラを置いたときに、レンズは外れて転がったようだ。

てっきり外だと思い込んでいた。
慌てずに冷静になってもっと身近なところから探すべきだった。
ほかに代用が利かず、いよいよならネットで注文しようと思っていたところだった。
よかった。

「~♪さがしものものはなんですか~ 見つけにくいものですか~」
「~♪さがすのをやめたとき、見つかることもよくある話で~」
歌の通りになった。

今はそのカメラメーカーもなくなった27年ほど使っている古いレンズのキャップである。
何度も落とし、ぶつけたのだろう、いくつもの傷がある。

   「これは何という花ですか」と若い人が尋ねしアスターに「追憶」の花言葉  (居山聞涛)

カメラレンズ

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サルスベリ(百日紅・猿滑) ~花の名前~
- 2021/09/14(Tue) -
百日紅031

9:00に女性二人の訪問があった。
数日前にメールで連絡があり、そして「楽しみにしています。晴れるといいんですが」と閉じてあった。
来る前に資料を急いでまとめたら62ページと厚くなった。
プリントアウトしてそれぞれの分としてお渡しした。
内容についての概要を説明し、詳細についてはあとで個々に目を通してもらうようにした。

庭に出て一緒に秋の草花を見て歩く。
年少の彼女は藤袴、小紫の実、咲き出した菊、そして秋明菊の丸い蕾、ピンクのアスターに興味を持ってその名を尋ねた。
白い小さな花を見て「かわいいですね」と、彼女はニラの花も知らなかった。
何年か前にアサギマダラが藤袴にとまっていたことや、隣に咲いている女郎花とあわせて秋の七草の話などもしながら。
そしてもう一人の彼女。
「家の庭に名前が分からない小さな木に赤い花が咲いているんですが……」
「植えた記憶がなく、勝手に出てきたようなんです」
「今日教えてただこうとスマホに撮ろうと思っていたのに、忘れてしまいました」
「今頃咲く赤い花ってわかりますか?」
「いちがいに赤い花っといってもたくさんあるからね」
そんな大雑把では特定するには無理がある。
「またスマホで撮っておき、今度お会いしたときにお見せします」
そう言って並んで歩を進めた時、「あっ、これです。この花です」の声。
地面に散っている赤い花を拾い手に取って私に見せた。
「これサルスベリだよ。ほら上を見てごらん」
頭上にはしばらく前から咲いている赤い百日紅。
「サルスベリだったんだ。わかってよかった」
「サルスベリって、長く咲くんですよね」
「そう、百日紅(ひゃくじつこう)と漢字では書くくらいだから」
「すっきりした。主人にも教えよう」

部屋に戻ってさらに二人といろいろ……。
帰ったのは12時を回って。
静かな生活の私にとって心明るくなる楽しい秋のひとときとなった。

   咲いて花簪散って花縮緬百日紅  (実野滸人)

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リコリス・スプレンゲリー(Lycoris sprengeri) ~色調変化の妙~
- 2021/09/13(Mon) -
リコリス・スプレンゲリー031

庭ではリコリス・スプレンゲリーも。
数日前、10㎝程が土の上に顔を出していた。
それから花茎は一日ごとに伸びてあっという間の開花となった。

蕾は艶のある赤紫。
開いた花はやわらかなピンクから薄い青紫へと色調を変える。
自然の絵筆のなす色づかいの妙。

こうしてまた一つ秋の様。
私も五感を静かに秋色に染め、心を耕し働く。

   花が我に問う言葉悲しき「只今を生きる」秋は澄み  (居山聞涛)

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フイリヤブラン(斑入り藪蘭) ~~♪探すのをやめたとき……♪~
- 2021/09/12(Sun) -
藪蘭031

緑の葉の中に立つ薄紫の花穂。
それは艶やかできれいな斑入り藪蘭の丸い蕾たち。
目を近づけると下の方に数㍉ほどの花が二つ、三つ咲いていた。
これからだんだんに上に向かって咲いていくのだろう。
小さな蛾がとまっていた。

部屋に入りテーブルの上にカメラを置く。
「あれ?ん?あっ」
レンズキャップがない。
慌てて戻り、藪蘭周辺をくまなく探す。
見つからない。
庭を歩いた順を逆に辿ってみるがない。
困った。
「レンズキャップをどこかで落としたらしい。庭に出るときに気をつけて見てくれる?」と家人にも伝えた。
以前もそういうことがあり、1週間ほどして草むらから出てきたことがあった。

「~♪探すのをやめたとき、見つかることもよくある話で~」

   秋には秋の花咲く当たり前のことだけどなぜか感傷は澄んで (実野滸人)

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ゲッカビジン(月下美人) ~四度目~
- 2021/09/11(Sat) -
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月下美人に四度目の開花がありました。
一昨日の月下美人は雨の中にありました。
昨日、制作を終えて見ると、咲く気配を感じたので、5時40分頃に私の部屋に入れました。
そして夕食を済ませて部屋に戻ると、いつものようにゆっくりと咲いていきます。
届いた定期購読の雑誌を読みつつ眺めました。
秋の京都の特集が載っています。
今は縁のないことです。
もう2年ほど県外へ出ていません。

時計の針は9時半を回り、眠くなりました。
夜はまるきり弱い私です。

そして今朝4:00、昨夜の麗しの姿はだらりの垂れ姿となっています。

   哀しきかな力尽くしての一夜月下美人朝には垂れて麗しと香り失い (上武旋転子)

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エドシボリ(萩・江戸絞り) ~中止~
- 2021/09/10(Fri) -
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きょうは国立新美術館で開催予定の公募展搬入の日でした。
しかし1週間前に急遽中止の連絡が入りました。
これで2年連続となります。
事務局や運営委員の方々にとってはさぞかし熟議を重ね悩み抜いた末での苦渋の決断だったのだと思います。

また江戸絞りが咲いています。
7月に一度咲き、そしてすべてが散った小粒の木萩です。
淡い紅色と白のツートンの花です。
白い花びらには細い線の色模様があります。

   やさしき萩の色模様にさまざまに浮かびくる想いたんたんと今をこなす  (実野滸人)

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シモツケ(繍線菊・下野) ~蜘蛛の糸に……~ 
- 2021/09/09(Thu) -
繡線菊0341

夜明けが遅くなり。
日没が早くなり。

体は少しの肌寒さを訴え。
秋布団に替え。
秋パジャマに替え。
ブランケットを出す。

そしてまた雨。
その中に三度めの繡線菊。
伸びた1本の蜘蛛の糸にリラの枯れ葉。

   想い編み込む物語はそこにありと雨の繡線菊をただ眺む  (上武旋転子) 

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フジバカマ(藤袴) ~その名の文字と響き~
- 2021/09/08(Wed) -
藤袴031

李の下では藤袴も咲き出す。
小花が集まって一房になって。

花はほんのりと色を纏う。
中から、糸のような雌しべがのび出ている。
ふと、その様は“一人静”似ていると。
ハナムグリがやってきた。

その“藤袴”という名の文字と響き。
人物語に綴られた深き想いのページを開かせるような。

   藤袴は静かに見るべし詠むべしうろこ雲  (居山聞涛)

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シラハギ(白萩) ~「白」という~
- 2021/09/07(Tue) -
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静かに忍び寄る秋の気配。
白萩も咲いて。

小さな花は形を左右対称に整え。
枝先に並ぶ。
その枝は撓んで地面に。
風にふわりと揺れる。

白、白、白。
「白」という色は私にはまぶしい。

   白萩見れば潜む想い現れて苦し哀し今の吾 (実野滸人)

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シラヤマギク(白山菊) ~あっ、イタイッ!~
- 2021/09/06(Mon) -
白山菊031

久しぶりに青空が広がった。
その陽射しの下をちょっと歩く。
コスモス、フジバカマ、シラハギ、オミナエシ、リンドウ、ヒガンバナと秋の彩りが目に入る。

周りは草がだいぶ伸びている。
続いた雨で手入れができなかった。

毎年の白山菊も咲く。
高さ1㍍ほどの大型の野菊。
花びらが少なく隙間があいて不揃いなのがこの花の味。

椿の横を通ったときだった。
「あっ、イタイッ!」
右の上腕を刺された。
足長蜂数匹が勢いよく飛び回る。
急いでその場を離れた。
そして指で絞り、虫刺されの薬を塗布して応急処置。
しばらくして、その椿をくまなく見た。
60匹程がかたまって巣作りをしていた。
表からはまるで見えないところだったので気がつかなかった。
被っていた黒い帽子の動きに反応し、邪魔されたと思って襲ったのだろう。
家人に注意を促し、ハチが活動を始めない明朝に除去することにした。
時間とともに少しずつ熱を持ち赤く腫れ上がってきた。
薬が効いてか、痛みは消え、かゆみだけが残る。

だいたい一年に1回は刺される私。
気を取り直して、アトリエに入る。

   青空の下心地よく秋花眺め庭漫ろ突然蜂に刺されて (居山聞涛)

白山菊032

白山菊033

白山菊034

白山菊035
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サワガニ(沢蟹) ~弁慶草の下に~
- 2021/09/05(Sun) -
沢蟹031 (1)

家の南側は川で、北側の道沿いには水田用水が流れている。
そんなこともあってか、時々庭を沢蟹が歩く。
時には玄関や駐車スペース周辺をも。
特に雨の日や、雨上がりなどに多い。

昨日は弁慶草の下にいた。

鋏を持ち上げて。
眼をぐんと伸ばして。
こちらを見ている。
いい顔。
「はい、にらめっこ」

しばらくして、弁慶草の根元へ入っていった。

「またおいで」

   沢蟹歩く 庭に九月の雨は遠い感傷を呼び起こし  (上武旋転子)

沢蟹031 (3)

沢蟹031 (2)

弁慶草031

弁慶草032

弁慶草033

弁慶草034
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ゲッカビジン(月下美人の蕾) ~4度目の……~
- 2021/09/04(Sat) -
月下美人の蕾9031

雨。
そしてまた雨。

急に大きな音を立てて激しくなったり。
静かに弱くなってしとしとと。
雨、雨。

月下美人の蕾にも雨。
雨粒の中に景色を取り込んで。
4度目の開花も近い。

遠くで雷も。

   昔のできごとを知りたいと旧知よりの電話20代の記憶をたぐり寄せて伝える秋雨の日 (居山聞涛)

月下美人の蕾9032

月下美人の蕾9033
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クロホオズキ(黒鬼灯) ~仕事も捗る~
- 2021/09/03(Fri) -
黒鬼灯031

ライトブルーの爽やかな花が咲いている。
庭のところどころに離れていくつも。
それは毎年こぼれ種からの黒鬼灯。
7月初旬から咲き出してこうして次々と。
株は大きいもので高さ周りとも1㍍ほどにも。

この2,3日、最高気温がぐっと下がって過ごしやすい。
仕事も捗る。

    ひたすらの立ち仕事も九月外に出ればミンミンゼミと吾亦紅 (居山聞涛)

黒鬼灯032

黒鬼灯033

黒鬼灯034

黒鬼灯035
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ニラ(韮の花) ~蕾は寄り添い~
- 2021/09/02(Thu) -
韮の花034

韮にたくさんの花。
白く小さくて。
整った星の形の。

蕾は寄り添い……。

アリ君がいた。
ナミハナアブ君も吸っている。

さて、もうひとふんばり。

  韮の花に虫のいるを見るひととき目の疲れもとれてまた手仕事 (上武旋転子)

韮の花031

韮の花032

韮の花033

韮の花の蕾

韮の花にとまったアリ

韮の花にとまったハナアブ
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