ガクアジサイ(額紫陽花) ~無垢な頬の色~
- 2021/06/30(Wed) -
額紫陽花031

いろいろな紫陽花が庭を彩る。

その中、ベビーピンクの額紫陽花は好みの一つ。
丸みを帯びた装飾花のそれは色を変えることなく、その色で始まりその色で終わる。
それこそ、眺めていてあきない無垢な頬の色。

そばの柏葉紫陽花が高く大きく広がり、それに覆われるようにして花数が少なくなった。
もっと伸び伸びできる場所に移してやるのがいいかもしれない。
花が終わったら考えることにしよう。

昨日は豊後梅の梅干作り。
塩度はいつも13%で。
それはずっと私の仕事。
作業が好きだから毎年。

そして今年も半年が過ぎる。

   紫陽花を眺めてちひろの絵の思い浮かぶ六月尽  (奈美あや)

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額紫陽花033

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オニユリ(鬼百合) ~りんりんりん~
- 2021/06/29(Tue) -
鬼百合031

背を伸ばした鬼百合に花が咲く。
朱色の花びらをくるりと上に反り返らせて。
その中には濃赤色の斑点が散りばめられ。

花はまだ下の方だけで上は蕾。
じゅんばんで。
じゅんばんに。

奥から伸び出る蕊が小刻みに揺れ動く。
りんりんりん。
りんりんりん。

一匹の蟻が斑点になっていた。

   長い蕊があるからこそ美しいのだよ百合の花は  (郷羽 都)

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ノリウツギ(糊空木・さびたの花) ~カッコーカッコー~
- 2021/06/28(Mon) -
糊空木031

家人に頼まれて一緒に近くの商業施設へ行った。
常は一人で行くのだが、たくさんの買い物を予定しているようだった。
カートを押しながら付いていく。
20分ほどで終わった。

家に戻り、ドアを開けて荷物を運ぼうとしたときだった。
大きな声で郭公が鳴いた。
「あっ、カッコウ」
どうやら隣の竹村さんの杉の木にいるらしい。
家人は素っ気なく「そうね」と言って、あまり興味ないらしく先に家の中に入っていく。
「カッコーカッコー」と続けて何度も鳴く。
その姿を見つけようと声のするあたりを見上げるのだがわからない。
いったん荷物を運び入れ、再び庭に出る。
すると声はしなくなっていた。

花梨の木の下に糊空木がある。
小蝶が舞うようなさまの白い装飾花。
それに囲まれてたくさんの小さな真花。
その中で遊ぶ花虻。

郭公と糊空木と花虻の六月長閑。

   白小蝶舞うごと六月のおしゃれ糊空木  (居山聞涛)

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キンシバイ(金糸梅) ~「また蛍を見に……」~
- 2021/06/27(Sun) -
蛍

7月に行われる展覧会要項が届き、その内容を確認していた。
電話が鳴った。
Hさんからだった。
「また蛍を見に行きたいと思いますが。……」
先日知人夫婦と一緒に見た彼女、今度は友人と同僚を誘って三人でと。
「いつですか?」
「今日の夜……」
「えっ、これから?」
「急ですが、いいですか?」
「わかりました。では前と同じ時間に同じ場所で待ち合わせましょう」

急いで風呂に入り、夕食の準備を手伝い、早めの食事を済ませる。
どんよりとした空模様が気になり、念のために折りたたみ傘を持って出かけた。

たくさんの蛍だった。
その数に三人とも感激していた。
体調が心配だったという若い女性は「こんなに見たのは初めてです。来て良かったです」と言って、何度も動画に収めていた。

満たされた思いを語り合いつつ、元来た小川沿いを下る。
そして「来年もまた見に来たいです」と。
「それではまた、みんなで来ましょう」

駐車場に戻ると、雨がぽつりぽつりと落ちてきた。
毎年そこで蛍を見ているが、これまでの中で今年が一番多かったような気がする。

   手に灯る蛍に心も言葉も少女になり   (奈美あや)

金糸梅031

金糸梅032

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イトバハルシャギク(糸葉波斯菊) ~何年も同じ場所で~
- 2021/06/26(Sat) -
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この梅雨の時期、何年も同じ場所で咲くイトバハルシャギク。
そこが気に入ってくれているのか、目に映る姿とは違ってとても強い花だ。

黄色がそろって、さやさや、さやさや。
その中で小さな虫たちが遊んでいる。 
夏の風に一緒に揺れながら。

台風が近づいているという。
大雨をもたらさなければよいのだが。

   “弥勒世”という少女の澄んだ歌響く六月の摩文仁は雨   (実野滸人)

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ドクダミ(十薬)~ドクダミは黄色い花~
- 2021/06/26(Sat) -
十薬030

中庭に李、山茶花、金糸梅、雪柳の木々。
その下に広がる白、白、白、白……。
夏の目に涼を届けてくれているのは十薬。
ひらひらの苞の上に棒状に立つたくさんの黄色い花。
その一つ一つは愛らしく、「ド・ク・ダ・ミ」という重い響きの名はそぐわない。

毎年、この眺める時期が過ぎれば、繁殖を抑えるために少しを残し抜き取る。
覆われているその下には片栗があり、、海老根があり、鈴蘭があり、一人静があるのだから。

   灯りのごと十薬の香の立つ木陰かな (郷羽三夜子)

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アジサイ(紫陽花) ~色は移り……~
- 2021/06/25(Fri) -
紫陽花032

瑞々しい若い色。
端境の混ざり合う色。
満々の濃い色。
そして……。
花の色は移りゆく。
そんな紫陽花を見て人の一生を思うことがある。

   あぢさゐにたくした文今も覚えて  (奈美あや)

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テラオカアザミ(寺岡薊) ~ティアラのように~
- 2021/06/25(Fri) -
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家人がどこかから戻ってきた。
「枇杷をね、Kさんと、Iさんと、Tさんところへ届けてきたの」
「それはよかった。お義姉さんがトウモロコシを3本持ってきてくれたよ。静岡の知人が送ってきてくれたんだって」
「じゃあ、夕食にだすね」

寺岡薊が咲いている。
ティアラのように美しい。
一輪だけで寂しくないかと思った。

   薊咲いて語らずともそこにある存在  (実野滸人)

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ハナショウブ(花菖蒲) ~たとえば着物姿~
- 2021/06/24(Thu) -
花菖蒲031

花菖蒲がある。

だらりとして。
たおやかで。
あでやかでもあり。

たとえれば着物姿。


さて、これから暑くならないうちにイヌツゲを伐る。

   あれこれと片付けたいことばかりいくつかの過去もまとめて鋸を持つ (居山聞涛)

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ハクチョウソウ(白蝶草・ガウラ) ~アオダイショウ~
- 2021/06/24(Thu) -
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草取りをしていた。
目の前の草をひたすらに。
少し移動しようと顔を上げた。
体が一瞬かたまった。
少し先にアオダイショウがいた。
長さは80㎝ほどのまだ若い蛇だ。
彼が動くのを待つしかない。
立ち上がって静かにじっと見る。
「おや?」
ずっと同じポーズのままだ。
距離を縮めて見る。
死んでいた。

ダイニングにいた家人に「アオダイショウが死んでいるよ」と声をかけた。
サンダルを履いて出てきた。
そしてさらりと見て、普通の顔で言った。
「早く片付けて」

作業小屋から2本のゴミ拾いトングを出した。
両手で挟んだら、だらりと垂れた。
どうやらまだそう時間は経っていないようだ。
よく見ると胴の部分に深い傷があった。
白鼻心だろうか。
下の川に流した。

年に数回、庭を這う姿が見られる。
ちょうどヒヨドリの雛を飲み込む場面に出くわしたこともある。
彼らは彼らなりの生活スタイルがあるとは思うが、あまり訪れてほしくない一族である。


李の下では白いガウラが咲いている。

   六月の風が花の名をささやいていった「ありがとう覚えておきます」と応えた  (実野滸人)

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ヒメシャラ(姫沙羅)~その形のまま落ちる~
- 2021/06/23(Wed) -
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姫沙羅は庭の西側にある。
たくさんの黄色い蕊を持つ白い花は今が盛り。
その命は短かい。
2~3日でその形のままで次々に木から離れる。
落ちて苔の上にある様もなかなか趣あっていい。
ついつい角度や視点を変えて目を寄せる。

   淡々と腕は六月の日を受けて濃く (居山聞涛)

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ウメモドキ(梅擬の花) ~桜の枝を切った~
- 2021/06/23(Wed) -
梅擬031

梅擬の花が咲いている。
それはよく見なければわからないほど小さい。

そこは染井吉野の下の木陰。
ちょっと気の毒か……。
考えた。
陰を作っている大きく張りだした太い枝を切ろうと。
高い三脚を出す。
その最上段に登り、そこから幹に乗り移る。
不安定な姿勢でなかなか力がうまく鋸に伝わらない。
無理せずにと、とにかく少しずつ引く。
ゴシゴシ、ギゴギゴとおよそ20分。
切れた。

降りてさらに枝を短く細かくする。
集めると小さな山となった。
しばらく置き、乾いてから片付けることに。

見上げる。
よくもあんな高いところのを切ったと、自分でも感心。
それにしても落ちなくて良かった。

これで日当たりが良くなり、下の草木も気持ちいいだろう。

   四十雀来ては鳴き鳴いては去る夏至の木々   (上武旋転子)

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アジサイ・アナベル(紫陽花・Annabelle) ~たくさんのホタル……~
- 2021/06/22(Tue) -
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昨夜は隣の市の知人と蛍を見てきました。

一緒の会で、家の近くに蛍の名所があることを話したところ、ぜひ見たいということになりました。
彼は40年、見たことがないのだそうです。
もう一人の会の仲間の女性も加え、奥様と三人で待ち合わせ場所にやってきました。

そこから数分歩いたところの洞が地区の方々がずっと保護してきている生息地です。
竹筒を刳り抜いた蝋燭の灯りが道案内です。
小さな子どもさんの親子連れなど、大勢の人が訪れていました。
すでに三脚を立てて動画や写真撮影をしている方々もたくさんです。
竹藪、木々の間、田んぼの周辺、小川の上などを点滅します。
至る所から「イタイタ、アソコ、ホラ」と声が上がります。

歩いたのは小一時間。
彼が前回見たのは一匹だけだったとか。
「近くにこんな素晴らしいところがあるなんて……」
車に戻る道々、知人は感動の声を何度も口にしていました。
そして「来年も必ず来よう」と。

今度の週末に、もう一度家族でも出かけることにします。


玄関前ではアナベルが白い手毬のようになって咲いています。

   ゆらゆらと青白き光点滅し時は心を素直な童にして  (居山聞涛)

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ヤマアジサイ(山紫陽花) ~昔からの藍の色を集めて~
- 2021/06/21(Mon) -
山紫陽花031

素朴な佇まいの山紫陽花。
昔からの藍の色を集めて。

ふと、万葉や平安の人々はそれを見て何を感じ何を思ったのだろうかと。

アブが夢中になって。遊んでいる。
自分だけの場所と時間にして。  
   
   掌にあぢさゐと書いて思ひ出を包む  (奈美あや)

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ベニガク(紅額) ~日の流れとともに移ろう~
- 2021/06/20(Sun) -
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紅額も咲き出しました。
装飾花の縁はやわらくギザギザに切れ込む特徴があります。

それの今は真っ白です。
しばらくはそのままを保ちます。
そしてこの先、中の真花が咲きそろう頃になると、紅色に染まっていきます。
そんな移ろいを日の流れとともに味わうことのできる花です。

ハナアブでしょうか、虫たちが遊びにやってきました。

   『白金之独楽』と額の花とそこにある六月の感傷  (実野滸人)

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ヤエドクダミ(八重十薬) ~その匂いは嫌いではない~
- 2021/06/19(Sat) -
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梅の下に八重十薬。

段々に積み重なった白いのは苞。
集まる黄色いつぶつぶ。
それがが真花。
花びらはない。

匂う。
いかにも薬効ある如くに匂う。
嫌いではない。

そばを赤蛇(ジムグリ)が抜けていった。

   たとえばそれは寄り添うような深い匂い触れて指を離れずどくだみは  (郷羽三夜子)

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カシワバアジサイ(柏葉紫陽花) ~どうトリミングしても~
- 2021/06/18(Fri) -
柏葉紫陽花031

梅雨晴間の庭。
土深く沁み込んだ水分を吸い上げた草木にうれしさと喜びを見る。
そしてこの季節を待っていたかのように開く多くの花。

柏葉紫陽花も白い花(萼)を円錐状に咲かせている。
元から先に向かい何段にもなって。
たっぷりの花房はいかにも重く、茎は撓み横向きにあるいは下向きに。
広く、あるいは絞って、はたまた拡大と、どうトリミングしてもなかなか魅力ある花である。

深い切れ込みのある幅広の葉に特徴があり、それが柏の葉に似ていることにその名は由来する。

   老いるほどに人生や本物が見えるという言葉を読み紫陽花の前に立つ (上武旋転子)

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ハナショウブ(花菖蒲) ~ボールペン~
- 2021/06/17(Thu) -
花菖蒲031

ボールペンを買うために隣の市の文具店に行った。

外出用のバッグにいつも手帳とともに携帯しているそれがない。
思いつく所を探してみたが出てこない。
いつどこで失くしたかまるでわからない。
濃緑色の軸で少し重みがあって気に入っていた。

ショーケースを見ていると若い女性の店員が声をかける。
「何かお探しですか?」
「ボールペンを……」
すると中のいくつかのに目をやっていて、光沢のある黒いのを選んで取り出した。
「こちらはとても書きやすいですよ。どうぞ試し書きしてみてください」
思いついて“汚れちまった悲しみに”と書いてみた。
たしかに紙の上を軽く滑らかに走る。
デザインもよかったので一瞬欲しいと思った。
でも、値が張った。
「もう少し安いのを……」
「それでは、これはどうですか?同じメーカーのものです」
今度は“思へば遠く来たもんだ”と書いてみる。
これもいい書き心地だった。
色は落ち着いた深い青。
ほかに赤と茶とグレーがあったが、それに決めた。
先に出してくれた黒いのの半額程だったが、それでも考えていたよりかなりの予算オーバーである。

外出先で書く機会はとんとなくなった。
しかし、前のと同様に気に入ったものをバックの中に入れて長く大事に使いたいと。
ある程度の満足感を得て少し嬉しい気分でハンドルを握る。
ラジオでは大学教授が心理学の観点から“幸せ因子”ということについて話をしていた。

庭では花菖蒲が咲いている。
そういえば買ったのの軸と同じ色だ。

   耳に残る他と比較せずにの声花菖蒲見て傘を忘れたことに気づく (居山聞涛)

花菖蒲032

花菖蒲033

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クリ(栗・丹沢) ~花の香り~
- 2021/06/16(Wed) -
栗の花031

それぞれに季節を象徴する花の香りがある。
梅雨時の場合、それは栗。
特有の強い青臭さは、少し離れていても鼻に飛び込む。
今、木を覆う黄白色の花から辺り一面に発せられる。

びっしりと猫の尾のように穂状になって長く垂れ下がるのは雄花。
その基部にちょこんとある小さな丸い形のが雌花。

毎秋たくさんの実を付けてくれるこの木は、若い頃に植えた“丹沢”という大実の品種。
少し前にだいぶ枝を切った。
今年の実りはどうだろう。

遙かには伊那山脈が南北に伸び、さらにその奥に南アルプスが連なり見える。
この景色とともにこの地でここまで生きてきた私。
時々その偶然に不思議を感じることがある。

   花栗の香にまみれここまでのありがたき歳月に目を閉じる  (上武旋転子)

栗の花033

栗の花034

栗の雄花1

栗の雄花2

栗の雌花
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キバナヤマボウシ(黄花山法師) ~初鳴き?~
- 2021/06/15(Tue) -
黄花山法師030

黄花山法師も開く。
ヒラヒラした花びらに見えるのは総苞片。
その中に塊となってまとまり咲くのが真の花。
蕊も小さいながらちゃんと元気に。

ホトトギスが鳴いた。
今年初めてきくか。

   六月や鳥に秘めた言葉を聞きなして一人 (奈美あや)

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クジャクサボテン(孔雀仙人掌) ~鮮やか色の孔雀の翅~
- 2021/06/14(Mon) -
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しばらく前から孔雀仙人掌がだんだんと咲いている。
艶のある鮮やかなグラデーションの赤い花びらを大きく広げて。
名はその様を孔雀の翅に見立てたものだろうか。
中にのぞくたくさんの雄蕊と長く伸びた1本の雌しべはイソギンチャクを思わせる。
その両手を合わせた程の優雅な姿は大体2~3日。
すでにしおれてだらりのも。

もう20年近くになるベテランの花。
まだ大小の蕾がいくつかある。
あと10日程は順々に玄関先で客人たちをおもてなししてくれることだろう。

   「花は……」空耳か誘うようにして仙人掌の花  (上武旋転子)

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ニワフジ(庭藤) ~河川清掃~
- 2021/06/14(Mon) -
庭藤031

年に一度の町内一斉河川清掃があった。
自治会ごとに、場所と範囲が割り当てられている。
川原に降り、伸びた葦などを刈り取る。
あわせて倒木やゴミなどを片付ける。
例年より少し短く、一時間弱で作業は終わった。

小さな穂状の庭藤が咲いている。
花はピンクと白のやさしい色合わせ。
四十雀が李にやってきて明るい声で歌ってくれた。

   いっぽいっぽと鳥は歌うこの六月はことに長く  (実野滸人)

庭藤032

庭藤033

四十雀6
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シモツケ(繍線菊・下野) ~想いを編み込むごとく~
- 2021/06/13(Sun) -
繡線菊031

淡紅色の花が散房状にむらがり咲く。
それは毎年六月の繡線菊。
素朴で物静かに。
花序に目を近づけると、たくさんの小さな5弁花。
そしてその中からはそれぞれに伸び出す自由な蕊。
外から“見ている”だけでは分からない世界の中に、心を寄せて”見つめる”とまったく違う景色が現れたりする。

   繡線菊(しもつけ)は想いを編み込むごとくそっとそっと  (奈美あや)

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アマチャ(甘茶) ~雨が……~
- 2021/06/12(Sat) -
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しばらく雨がない。
なかなか梅雨入り宣言が出ない。
水やりをする。

甘茶が咲いた。
中の真花からはたくさんの蕊が飛び出して。

庭に雀が降りてきて、ぴょんぴょん。

   君にはわだかまる心はないのか雀よ六月だぞ (実野滸人)

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セイヨウオダマキ (西洋苧環) ~クロワッサン~
- 2021/06/12(Sat) -
西洋苧環0321

義姉の車が入ってきた。
そして、小さな紙袋を手に、「昨日はビワをありがとう」と。
「伊那の方に用事があって行ってきたの。これお土産」
道の駅に評判のパン屋さんがあり、そこのクロワッサンだという。
すぐ売り切れる程の人気らしい。
そういえば去年だかもやはり同じのをいただいたような気がする。
それにしても行動半径が広い義姉である。

三月の初めに咲いた西洋苧環がまた咲いている。

   コゲラ来て桜の幹を上に登るギーッギーッギーッギーッと何を語る (居山聞涛)

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西洋苧環0323
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ビワ(枇杷) ~とりあえず一回目~
- 2021/06/11(Fri) -
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枇杷が色づく。
とりあえず一回目の収穫をしよう。
毎年、夜に白鼻心に食べられる。
木は二階の屋根に届く程の高さ。
脚立を立て、木に登って、色の濃いのを選んで。
一籠分、100個程になった。
数日は収穫できそうだ。
さっそくに大きいものを30個程選んで義姉に届けた。
喜んでくれた。

   母と子のごとく見るからにやさしき枇杷熟れて夏  (奈美あや)

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ウツギ(空木・卯の花) ~そろそろじゃない?~
- 2021/06/11(Fri) -
空木030

夕食時に家人が言う。
「ね、蛍はそろそろじゃない?」
「そうだなあ」
近くに蛍の生息地がある。
地区の方々がその環境を大事に守っている。
6月中旬になると、家族で見に行く。
毎年、我が家の夏の夜の楽しみとなっている。
今年は梅雨入りが遅れている。
生育状況はどうなんだろう。
「15日頃に行ってみようか」
「そうね、様子で2度行ってもいいし」

庭ではウツギも咲いている。
四十雀が大きな声で鳴いている。

   卯の花見て歌詞とメロディー流れる六月の朝今日の予報も30度超え (上武旋転子)

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空木032

空木033
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バイカウツギ(梅花空木・ベルエトワール) ~“桑の実がおやつです”~
- 2021/06/10(Thu) -
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庭の一角で甘い香りがする。
それは白いベル・エトワールが放つもの。
たとえるなら、マンゴーか。
いやジャスミン?
いずれにしても強くていい香りだ。
花の中心はわずかに紅色に染まる。

知人からメールが届いた。
“ウグイスに励まされながらの草と竹退治。桑の実がおやつです”と。

   草のたくましきこと六月心にも脳にも汗をかけ (実野滸人)

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アスチルベ(Astilbe・泡盛草) ~「造形活動を……」~
- 2021/06/09(Wed) -
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子ども食堂や高齢者サロン、ママカフェの運営に携わっているNPO法人代表の知人から電話があった。
「ボランティアとして不登校生徒に造形活動をしていただけませんか」と。
学校に通えない中学生の支援をもしているらしい。
自身が幼い子どもさんを抱えながら、地域のために頑張っている若い彼女である。
「私の立体表現の経験が少しでも皆さんのお役に立つのであれば」と受託した。
さっそく打ち合わせに出かけ、第一回目は18日(金)に決まった。
きっと繊細な心の子どもたちなのだろう。
笑顔の出る楽しい時間になるように工夫しよう。

穂状になって咲いている淡い色のアスチルベがある。
その小さな花の中で虫たちが遊んでいる。

   支える力はなくも寄り添うことはできる花の如くに  (居山聞涛)

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ユキノシタ(雪の下・鴨足草) ~言葉を交わすようにして~
- 2021/06/08(Tue) -
ユキノシタ031

草取りをする。
時々水分を補給しながら。

頭上にピーピヒヨロピヒョロ、ピーピヒヨロピヒョロ……。
手を休めて見上げると二羽のトンビが比較的低いところで旋回していた。
一羽が右へくるりとするともう一羽も後を追ってくるり。
今度は左回転で同じように。
ピーピヒヨロピヒョロ、ピーピヒヨロピヒョロの声を出しながらゆったりと繰り返す。
つがいだろうか、まるで互いに言葉を交わすかのようにして。
そして徐々に高さを上げながら遠ざかっていった。

再び手を動かし、30分後、予定したすべてを終えた。
背中のシャツがびっしり濡れた。
きれいになった後を見て気持ちよかった。
我ながら感心。
ボトルを手にすると空になっていた。

今年初めて30℃を超える夏日だった。
雪の下がモビールのようになって風に揺れている。

   どんな会話を交わしているかしりたい頭上のトンビ二羽微笑ましく  (居山聞涛)

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サラサウツギ(更紗空木) ~感謝しつつ、学びと成長の場に~
- 2021/06/07(Mon) -
更紗空木031

先日美術博物館に出かけた。
そこの図書室にお勤めの知人に資料をお届けするためだった。
常に多くの書物に触れているだけあって、知識が豊富な方である。
また美術関係のイベントなども随時把握しておられ、展覧会にもよく誘ってくださる。
人脈も多方面にわたり、世間のことに疎くこじんまりのほほんと生きている私にとっては様々な情報源になるありがたい存在だ。
一方では二紀会所属の画家としての顔もあり、その幅広いアクティブな生き方には多くの刺激をいただく。
いろいろなお願いも含め、30分程で用件を済ませて帰宅した。

昨日、その彼女からメールが届いた。
新しい表現活動グループを立ち上げる事について、参加の確認と日時や会場の詳細を知らせる内容だった。
メンバーは私を含め、やはり中央の一水会で活躍している年長の男性を含めた三人で始めることになった。
さっさと段取りして動くその行動力、企画力には頭が下がる。
感謝しつつ、学びと成長の場にしていきたいと思う。

高いところで更紗空木が咲く。
たっぷりの花びらの裏は薄紅色。
まさに美しく染めた「更紗」模様のように。

   雨降れば 静かにそして新たにと心整えてもの思う月よ六月は (居山聞涛)

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